【図解】ブロックチェーンとは?新規事業担当者が知るべき基礎知識・ユースケース・導入課題を開発企業が徹底解説!

暗号資産やビットコインのブームで突如として有名になった「ブロックチェーン」ですが、この技術がどういったものなのか説明できるという人は多くはないのではないでしょうか?

元々は暗号資産の取引のために生み出されたブロックチェーンですが、金融機関や製造業、医療、サプライチェーンなど、大手企業の基幹システムや新規事業において、その非中央集権性・透明性・耐改ざん性が高く評価され、現在では金融のみならず、幅広い産業でビジネス活用が急速に進んでいます。

本記事では、ブロックチェーン開発を専門とする当社が、企業の新規事業担当者の皆様が、この革新的な技術を自社ビジネスにどう活用できるのか、その基礎知識から具体的な導入ユースケース、メリット・デメリット、そして直面しうる課題とその解決策まで、実践的な視点から徹底解説します。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーン=正確な取引履歴を維持しようとする次世代データベース

出典:shutterstock

ブロックチェーンは、2008年にサトシ・ナカモトと呼ばれる謎の人物によって提唱された暗号資産「ビットコイン」の中核技術として誕生しました。ブロックチェーンの定義には様々なものがありますが、一言で説明すると「取引データを暗号技術によってブロックという単位でまとめ、それらを1本の鎖のようにつなげることで正確な取引履歴を維持しようとする技術のこと」です。

取引データを集積・保管し、必要に応じて取り出せるようなシステムのことを一般に「データベース」といいますが、ブロックチェーンはそんなデータベースの一種です。その中でも特に、データ管理手法に関する新しい形式やルールをもった技術となっています。

ブロックチェーン導入で得られるビジネス上のメリットとは?その特性がもたらす価値

ブロックチェーンの概要を聞いても「何がすごいの?」とピンとこない方もいるかと思います。ブロックチェーンのメリットを理解するためには、従来のデータベースとは大きく異なるデータの保存・管理方法に着目すると良いでしょう。

これまでの中央集権的なデータベースでは、全てのデータが中央のサーバーに保存される構造を持っています。したがって、サーバー障害や通信障害によるサービス停止に弱く、企業保有のサーバがハッキングにあった場合には、基幹システムが停止したり、顧客データが流出してしまう懸念があります。

これに対し、ブロックチェーンは各ノード(ネットワークに参加するデバイスやコンピュータ)がデータのコピーを持ち、分散して保存します。そのため、サーバ障害が起こりにくく、通信障害が発生したとしても正常に稼働しているノードだけでトランザクション(取引)が進むので、システム全体が停止することがありません

また、データを管理している特定の機関が存在せず、権限が一箇所に集中していないので、ハッキングする場合には分散されたすべてのノードのデータにアクセスしなければいけません。そのため、外部からのハッキングに強いシステムといえます。

こうしたブロックチェーンの「非中央集権性」によって、データの不正な書き換えや災害によるサーバーダウンなどに対する耐性が高く、安価なシステム利用コストやビザンチン耐性(欠陥のあるコンピュータがネットワーク上に一定数存在していてもシステム全体が正常に動き続ける)といったメリットが実現しています。

ではこれらのメリットをもたらすブロックチェーンにおけるデータの保存とは、一体どのような仕組みで実現しているのでしょうか?ここからはブロックチェーンの仕組みについて、技術的な側面から解説していきます。

ビジネスパーソンが知っておくべきブロックチェーンの仕組み

ブロックチェーンは、その名の通り「ブロック」を「チェーン」のように順番に繋いだ形をしています。「ブロック」とは1MB分の「トランザクション(価値の移転が記録された取引データ)」に様々なメタ情報を付与したものです。

身近なものに例えるなら、ブロックは引き出しがいくつか付いているタンスのようなものだといえます。一つのタンスの中には複数の同じ大きさの引き出しがあり、その中にはさらに、紙の契約書や現金が入っている、というようなイメージです。

タンスの中に契約書や現金をしまいこんだら、次に考えるべきことは、「どこに何があるかを正しく把握」して「泥棒に盗まれないようにしっかりと鍵をかけておく」ことでしょう。これらの機能を果たしているのが、「チェーン」と例えられる、ブロックチェーンの記録・保管形式です。

具体的にいうと、各ブロックには日付(タイムスタンプ)に加えて、「ハッシュ値」「ナンス」と呼ばれるメタ情報が付与されており、これらの情報をもとにして、ある一定のルールのもとで前のブロックと後ろのブロックがまるで「鎖」のように連結されています。このメタ情報から作られる鎖こそが、ブロックチェーンの圧倒的なセキュリティと耐改ざん性を実現する中核であり、金融取引、サプライチェーン管理、デジタルID認証といった高度なセキュリティと信頼性が求められる分野でブロックチェーンが選ばれる理由です。詳しく見てみましょう。

ハッシュ値は、ハッシュ関数というアルゴリズムによって元のデータから求められる、一方向にしか変換できない不規則な文字列です。つまり、あるデータを何度ハッシュ化しても同じハッシュ値しか得られず、少しでもデータが変われば、それまでにあった値とは異なるハッシュ値が生成されるようになっています。

新しいブロックを生成する場合、必ず前のブロックのハッシュ値が記録されるため、誰かが改ざんを試みてハッシュ値が変わると、それ以降のブロックのハッシュ値も再計算して辻褄を合わせる必要があります。その再計算の最中も新しいブロックはどんどん追加されていくため、データを書き換えたり削除するのには、強力なマシンパワーやそれを支える電力が必要となり、現実的にはとても難しい仕組みとなっています

タンスの例でいえば、1番目のタンスの鍵を2番目のタンスの中に入れて、2番目のタンスの鍵を3番目のタンスの中に入れて・・・としているイメージです。

また、ナンスは「number used once」の略で、特定のハッシュ値を生成するために使われる使い捨ての数値です。ブロックチェーンでは使い捨ての32ビットのナンス値に応じて、後続するブロックで使用するハッシュ値が変化します。

例えば、代表的なブロックチェーンであるビットコインでは、コンピュータを使ってハッシュ関数にランダムなナンスを代入する計算を繰り返し、ある特定の条件を満たす正しいナンスを見つけ出す行為(=マイニング)によって、取引情報をチェックして承認するというアルゴリズムをとっており、最初にマイニングを成功させた人に新しいブロックを追加する権利とともにインセンティブである暗号資産が与えられます

ブロックチェーンではデータベースのような管理者を持たない代わりに、経済的インセンティブなどを用いることで、ノード間で取引情報をチェックして承認を行っているのです。このように中央的な管理者を介在せずに、データが共有できるので参加者の立場がフラット(=非中央集権)であるため、ブロックチェーンは別名「分散型台帳」とも呼ばれています。

なおマイニングは、すべてのブロックチェーンで必要とされる仕組みではなく、ビットコインやライトコインなどのブロックチェーンで必要とされる仕組みです。別のコンセンサスアルゴリズム(詳しくは後述)を採用しているイーサリアムでは、別途「ステーキング」という仕組みにより、取引のデータを検証してブロックに保存しているという点には注意が必要です。

ブロックチェーンの周辺技術

ブロックチェーンでは分散管理の他にも、コンセンサスアルゴリズムやP2P(Peer to Peer)通信、公開鍵暗号方式など新旧様々な技術が利用されており、それらを繋ぐプラットフォームとしての役割を果たしているのがブロックチェーンというわけです。ここからは個別の技術についても解説します。

コンセンサスアルゴリズム:ブロックチェーンを支える合意形成メカニズム

ブロックチェーンではノード間で取引情報をチェックして承認を行うと説明しましたが、この参加者同士が取引に関わる契約内容を正確な情報であるかどうか決めていく承認ルールのことをコンセンサスアルゴリズムと呼びます

なんだか定義だけでは理解しづらい概念ですよね。ではこれを理解するために、友人たちとピザのトッピングを決める場面を想像してみましょう。

あなたと友人2人がピザを注文することになりました。あなたは「アメリカン」、友人Aも「アメリカン」、友人Bは「イタリアン」を選んだとしましょう。あなたはこんなとき、どうやって意見をまとめますか?最も一般的な方法は、多数決でしょうか。その場合、「アメリカン」が2票で最多なので、ピザのトッピングは「アメリカン」に決まります。この意見をまとめる方法、ここでは「多数決」がコンセンサスアルゴリズムにあたります。

これをブロックチェーンの文脈に置き換えてみましょう。ブロックチェーン上のノードは、取引内容や新しいブロックを承認する際にコンセンサスアルゴリズムを用いて合意を形成します。ハッカーや不正行為からコミュニティを守るため、あるいは分散的な組織運営をするために、多数決だけではなく、「Proof of Work(PoW)」や「Proof of Stake(PoS)」といったさまざまなアルゴリズムを開発しています。

出典:Web3総合研究所

Proof of Work(PoW)は、膨大な計算処理によって解答を見つけることが必要なアルゴリズムです。みんなで難しいクイズを解いて、最初の正解者が食べたいピザを選ぶイメージです。最初に正解を導き出したノードが次のブロックを承認し、他のノードもそれを確認して合意が形成されます。かの有名なBitcoin(ビットコイン)はこのアルゴリズムを採用しています。

よく、「ブロックチェーンの報酬は誰が用意しているの?」という疑問を聞きますが、PoWを採用している暗号資産は上述の通り、報酬が発生するのは暗号資産を生み出すマイニングのタイミングなので、強いて疑問に答えるのであれば、「暗号資産の採掘を行った者自身」ということになるでしょうか。なんだか不思議な話ですね。

少し具体的に見てみましょう。PoWでは、ブロックの生成過程で、ブロックのメタ情報(「Hash」「nonce」「Target」)を用いた計算作業をノードに課しています(先に見た「マイニング」のことです)。

平たくいえば「ある条件を満たす数字を見つけましょう」という計算ですが、この問題を解くためには莫大なコンピュータの電気代がかかるため、簡単にはブロックをつくることはできません。とはいえ、ビットコインではブロックを無事に生成できると報酬として暗号資産を手に入れることができるため、多くの人がブロックづくりに挑戦し、同時に複数のブロックが生まれてしまうこともあります(「フォーク」と呼ばれる事態)

そこで2点目として、PoWでは、複数のブロックが生まれた場合は「最も長いチェーンに含まれるブロックが正しい」という基本原理を採用しています(ナカモト・コンセンサス)

このように、PoWを採用しているブロックチェーンでは独特かつやや複雑な仕組みによってブロックが生成されています。

一方、Proof of Stake(PoS)は、ノードが所有する仮想通貨の量に応じて承認権を与えるアルゴリズムです。友達がピザを注文する際、いちばん多くお金を出した人の意見を重視するような仕組みです。Ethereum(イーサリアム)やSolana(ソラナ)といった有名なブロックチェーンで採用されています。

ほかにもProof of Importance(PoI)Proof of Consensus(PoC)といった様々なコンセンサスアルゴリズムが存在します。コンセンサスアルゴリズムは異なるノード間で合意を形成し、正しい情報を保持するための鍵となる重要な要素です。そのため、それぞれの弱点や課題を補うようにして新たなコンセンサスアルゴリズムが誕生しており、その進化は今後も続いていくでしょう。

P2P(Peer to Peer)通信:ブロックチェーンの「非中央集権性」を実現する基盤技術

ブロックチェーンに利用されている最も代表的な関連技術が「P2P(Peer to Peer、ピアツーピア)通信」です。

P2Pとは、パーソナルコンピューターなどの情報媒体間で直接データの送受信をする通信方式のことで、従来のデータベースの「クライアントーサーバ型」と対比されます。

出典:平和テクノシステム

クライアントーサーバ型では、情報媒体間でデータの送受信を行う際に、データ共有を行う媒体間で直接通信せず、第三者媒体をサーバとして経由するため、どうしても中央管理者の存在が不可欠でした(Google ChromeやAWSをイメージするとわかりやすいでしょう)。

これに対して、P2Pでは媒体間で直接やり取りを行うために、第三者のサーバを必要としません。したがって、ブロックチェーンの最大の特徴でもある「非中央集権性」は、まさにこのP2Pによってもたらされたものといえます。

実際に、P2Pは第三者を介さない個人間での送金手続きや小売電気事業者を通さない個人間での電力取引、無料インターネット電話サービスの先駆けともいえるSkypeなどに用いられています。

公開鍵暗号方式:ブロックチェーンのセキュリティを担保する情報管理の要

出典:サイバーセキュリティ情報局「キーワード事典」

ブロックチェーンの仕組みでは、トランザクションが取り出される際に「秘密鍵暗号方式」と呼ばれる方法でトランザクションへの「署名(秘密鍵で暗号化する)」が行われることで、トランザクション自体のセキュリティが担保されています。

公開鍵暗号方式とは、情報を通信する際に、送信者が誰でも利用可能な公開鍵を使用して暗号化を行い、受信者が秘密鍵を用いて暗号化されたデータを復号化するという手法のことです。

秘密鍵は特定のユーザーのみが保有する鍵で、この秘密鍵から公開鍵を生成することは可能です。しかし、公開鍵から秘密鍵を特定することは現実的には不可能となっています。公開鍵で暗号化されたデータは対応する秘密鍵でしか復号化できないため、秘密鍵さえ厳重に管理していれば、データの保護と情報漏洩の防止が可能となる仕組みです。

通常、この秘密鍵は各アカウントごとに一つだけ付与されるもので、この鍵を使うことでアカウントに紐づいた様々な権限を利用することができます。暗号化技術において、秘密鍵は暗号化されたデータを復号したり、デジタル署名を作成したりするために使用される重要な情報です。この鍵自体が盗まれてしまうと、個人アカウント内の権限を第三者が悪用できてしまうことになるため、秘密鍵の流出はブロックチェーンのセキュリティを語るうえで避けられない問題となっています。

ブロックチェーンの種類:「パブリック型」「コンソーシアム型」「プライベート型」

暗号資産の世界だけでなく、さまざまな業界で活用が始まっているブロックチェーンにはビットコインの基幹技術として生まれた「パブリック型」に加えて、「コンソーシアム型」そして「プライベート型」の3種類が存在します。

細かな違いはありますが、主にはネットワーク内における取引内容の公開範囲、または管理者の有無によって分類することが可能です。

パブリック型ブロックチェーンは、不特定の参加者により運営され、管理者が不在であるという特徴を持ちます。また、パブリック型の場合は、誰もがブロックチェーンのマイニングを行うマイナーとなれます。

他方、コンソーシアム型/ライベート型ブロックチェーンでは、参加者は一部の企業等に限定され、また、コンセンサスアルゴリズムによって許可された管理者がネットワークの管理にあたります。この形式下では、管理者の許可を受けた者だけがマイナーとなります。

このようにコンソーシアム/プライベート型のチェーンは、分散化という観点では、ブロックチェーンを使う意義が薄く、ややメリットに欠けるでしょう。しかし、ノードの参加者が限定されているため、企業向けのエンタープライズ用途に好まれています。

また、ブロックチェーンの分類には、パーミッションド型/パーミッションレス型の区別もあります。これは、取引を承認する参加者の身元が明らかにされるなどして、ノードとして参加するのに許可(=permission)が必要か否かで分類を行ったものです。

パブリックチェーンは参加者に制限がなく、許可を必要としないため、自由参加型(Permissionless型)とも呼ばれます。一方、プライベートチェーンやコンソーシアムチェーンは特定ユーザーのみ参加することが許されるため、許可型(Permissioned型)とも呼ばれます。

それぞれのタイプごとの解説や、コンソーシアムとプライベート間の違いについては、以下でより詳しく解説しています。

開発基盤としてのブロックチェーンプラットフォーム

ブロックチェーンを活用したプロダクト・サービスの開発には、開発の実装基盤となるプラットフォームが不可欠です。ブロックチェーンのプラットフォームには、用途に合わせて数多くの種類があります。代表的なブロックチェーンプラットフォームは、次の通りです。

プラットフォーム対象用途
Ethereum(イーサリアム)エンタープライズ向け(toC企業)NFTなど
BNB Chain(ビーエヌビーチェーン、旧BSC)エンタープライズ向け(toC企業)DApps、NFTなど
Polygon(ポリゴン)エンタープライズ向け(toC企業)NFT、DAppsなど
Symbol(シンボル)エンタープライズ向け(toC企業)ゲーム、DAppsなど
SOLANA(ソラナ)エンタープライズ向け(toC企業)ゲームなど
Ripple(リップル)エンタープライズ向け(銀行)銀行間送金(特化)
Corda(コルダ)エンタープライズ向け(toB企業)銀行間送金、企業間プラットフォームなど
GoQuorum(ゴークオラム /ゴークォーラム)エンタープライズ向け(toB企業)企業間プラットフォームなど
Hyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)エンタープライズ向け(toB企業)企業間プラットフォームなど
Bitcoin Core(ビットコインコア)個人向け個人間送金

上表のように、10種類のプラットフォームを用途の観点から分類すると、大きく次の4つに分けることができます。

1 toC企業向け:ゲームなどの開発に向いている
2 toB企業向け:業界プラットフォームなどの開発に向いている
3 銀行向け:銀行間送金に特化している
4 個人向け:ちょっとした送金の手段として使われる

例えば、あなたが製造業の会社で事業責任者をしており、ブランド戦略の一環で製品のトレーサビリティ(追跡可能性)を担保することで偽造品対策や競合製品との差別化を行いたいと考えているのであれば、toB企業向けプラットフォームであるCordaやGoQuorum、Hyperledger Fabricを開発基盤としたプロジェクトを推進していくのがお勧めです。あるいは、自社経済圏を構築するためにトークン発行を前提としたプラットフォームを構築したいのであれば、開発基盤はEthereumのほぼ一択でしょう。

ブロックチェーンはその開発基盤によってターゲット層や情報秘匿性、搭載している機能に違いがあります。したがって、自身が推進するプロジェクトに向いているプラットフォームを把握し、その特性を理解しておくことは、開発者だけではなくビジネスサイドの担当者にとっても有益です。

詳しくは、以下の記事で解説しています。

ブロックチェーンの市場規模と将来予測

ブロックチェーンの国内市場規模に関するマーケット予測で最もポピュラーな資料は、平成28年4月28日付で経済産業省の商務情報政策局 情報経済課が発表した「我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備 (ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料」でしょう。

出典:我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料

この資料は、市場がまだ大きく形成されていない初期に発表されたこと、発表元が経済産業省であることから、複数の書籍や論文等でも引用され、ブロックチェーンの潜在的可能性に対する期待を膨らませる一つの要因になりました。

同資料では、大きく次の5つのテーマでブロックチェーンの社会変革・ビジネスへの応用が進むとした上で、それら5つのインパクトの合計として、将来的に国内67兆円の市場に影響を与えると予想されています。

  1. 価値の流通・ポイント化・プラットフォームのインフラ化
  2. 権利証明行為の非中央集権化の実現
  3. 遊休資産ゼロ・高効率シェアリングの実現
  4. オープン・高効率・高信頼なサプライチェーンの実現
  5. プロセス・取引の全自動化・効率化の実現

実際に、経済産業省が「ブロックチェーンは将来的に国内67兆円の市場に影響を与える」との予測を発表してから9年が経過した今、ブロックチェーンの応用可能性の広さとそのインパクトの大きさは資料の示す通りとなっています

1はSTOなどのトークン活用、2は不動産領域における登記などの権利証明、3は医療プラットフォームや電子政府、4は国際海運における物流プラットフォーム、5はDEXに代表されるDAO(自律分散型組織)、といった具合に、既存の産業をDX(デジタルトランスフォーメーション)する形での市場拡大が進んできました。

また、この資料の他にも2022年1月28日に株式会社矢野経済研究所が発表した「2021 ブロックチェーン活用サービス市場の実態と将来展望」や株式会社 xenodata lab.が発表している「ブロックチェーン業界AI予測分析サマリー」においてもその成長性については高い評価が下されています。

このように、ブロックチェーンは統計の調査主体にかかわらず、ここ数年で大きな市場成長が見込まれており、今後は金融分野にとどまらないあらゆる社会側面に広がっていくものと考えられます。

市場規模に関するより詳しい解説や世界の市場規模、成長の理由についての考察は下記の記事をご覧ください。

ブロックチェーン技術のユースケース

ブロックチェーン技術は、その分散性や耐改ざん性といった特性を活かして、金融サービスのみならず様々な分野で応用が進みつつあります。ここからは2024年現在に金融分野以外で活用されている主なブロックチェーンの適用先をご紹介します。

偽造品対策

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「データが改ざんされにくい」ということは「データが結びつく対象が本物である」と証明できるということです。この性質を利用しているのがブランド保護・偽造品対策の分野です。

従来のブランド保護には、製品ごとに付与されたシリアルナンバーが記載されたギャランティカードを発行する形式が主流となっています。

この形式では、店舗側はシリアルナンバーをもとに購入者名、購入した品物、購入日を管理しているため、正規品か否かを照合することが可能になっています。また、バッグや財布などを修理に出す際に提示することで、正規店でのサポートが受けられるという利点もあります。 

一方で、最近ではギャランティカードの偽物も出回るようになってきています。ギャランティカードはただの数字が印刷されたカードに過ぎず、直接製品に刻まれているわけではありません。そのため、番号が実在するものであれば、いくらでも複製できてしまうのです。

それに対してブロックチェーンによるデータ管理では、リアルの製品にかざすだけでデータ通信が可能な、安全性の高い「NFC(Near Field Communication)」「RFID(Radio frequency identifier)」といった技術と合わせて使用することで、ユーザー自身がブロックチェーン上の安全なデータにアクセスし、唯一無二の価値をもつ正規品であることを確認できます。

こうした手軽に導入でき、高いパフォーマンスを発揮するブロックチェーンは近年、様々な業界で真贋証明プラットフォームの中核技術として利用され始めています。現在は主に高級な製品へ用いられることが多いですが、食品や、健康や美容など人体に直接関わる領域では、比較的安価な製品に対してもブロックチェーンを導入した対策が取られるかもしれません。

詳しくは以下の記事で解説しています。

医療・ヘルスケアデータの管理

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医療・ヘルスケア分野は非金融ブロックチェーンの導入が進む業界の一つです。昨今の日本では、高齢化や医療サービスの充実に伴い、日本人の平均寿命と健康寿命の差は約10年もあります。そのため、年々医療サービスの仕事量が増加しており、この状況を放置すると医療サービスの需要と供給のバランスが崩れ、医療崩壊を引き起こしかねません

こうした現状を踏まえて医療業界では、予防医療に力を入れ医療崩壊を防ごうという考えが広まっています。予防医療の真価を発揮させるには、ヘルスケアデータを患者・医療施設・医療施設の間でシームレスに共有してうまく活用できるようにするシステム変革が必要です。

一方で医療で扱う情報は、個人情報の中でも特に高い秘匿性が要求されます。したがって、中央集権型のシステムと同等かそれ以上のセキュリティ要件を満たしながら情報を分散管理できる仕組みが必要です。こういった点において、ブロックチェーンはその要件にマッチしているため、国内外で多くの注目を集めています。

とくに行政サービスデジタル化の先駆けとして知られる国家・エストニアではヘルスケア分野における取り組みにはブロックチェーンを用いて安全かつ迅速なデータ管理を行っており、現在では処方箋の99%がオンラインで発行されているなど、国家レベルでもブロックチェーンの導入が行われています。

詳しくは以下の記事で解説しています。

エネルギーデータのトラッキング

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大手企業の中には、ブロックチェーンを用いてエネルギーの調達由来や、再生可能エネルギーによって削減された温室効果ガスの排出量をリアルタイムに監視・記録する動きが広がりつつあります。背景にあるのは、「環境に配慮している」とする企業の姿勢に対して、具体的な証拠となるデータの透明性と信頼性が強く求められているという社会的な要請です。

たとえば企業が「再エネ100%で運営している」と掲げたとしても、その電力が実際に再生可能エネルギー由来であることを証明するのは容易ではありません。送配電網では再エネと非再エネが混在するため、再エネ由来という主張が独り歩きしやすく、いわゆる“グリーンウォッシュ(見せかけの環境配慮)”に繋がるリスクが存在します。

こうした中、ブロックチェーンの透明性と非改ざん性を活用することで、エネルギーデータに「信頼できる履歴」を付与し、環境価値の正当性を担保する試みが進んでいます。

出光興産株式会社とトレードログ株式会社が共同開発した再エネ電力色分け・供給システム「IDEPASS™」およびEV向け充電システム「再エネチョイス™」はその代表例です。2023年4月から開始されたこの実証では、種子島空港や南種子町役場などの施設において、供給される電力を分電盤単位の細かさで再エネと非再エネに分別し、利用者がどちらの電力を使用するかを選択可能にしています。

従来の電力供給モデルでは、施設単位での電力契約はできても、テナントや部屋ごとに電力の由来を選ぶことは不可能でした。また、一般的な電力取引は30分単位で記録されるため、EV充電のような数分間の利用では実際に何の電源を使ったか追跡できませんでした。

これに対しIDEPASS™では、ブロックチェーンを用いて1分単位の高精度な電力取引記録を実現。再エネ発電から消費に至るまでのプロセスをリアルタイムで捕捉し、ユーザー自身が「再エネを使う」という選択を能動的に行える仕組みを提供しています。カーボンクレジットの創出においても、ブロックチェーンで記録されたトレーサブルな電力データが、排出削減の正当性を裏付ける情報基盤として活用されることが期待されます。

このように、エネルギーデータのトラッキングにブロックチェーンを活用することで、企業は「環境に配慮している」ことを単なる主張ではなく、客観的に証明された事実として社会に示すことが可能になります。今後、こうした取り組みが企業の信頼や投資判断に直結する重要な要素として、ますます広がっていくでしょう。

エネルギーデータのトラッキングに関しては下記の記事でも詳しく解説しています。

自己主権型アイデンティティ(SSI)の実現

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近年、中央集権的な個人情報の管理については「データのセキュリティリスク」「テータ主権」の観点から批判的な見方が広がりつつあります。そんな時代において、行政機関やGAFAなどの大企業によるデータの一括的管理に対抗する手段としてブロックチェーンが注目されています。

ブロックチェーンを用いたデジタルアイデンティティの管理では、情報を分散的に管理し、公開鍵暗号方式によってデータの安全性を担保しているため、個人のデータ主権を保ちながらオンライン上での個人情報のやり取りを可能にします=「自己主権型アイデンティティ(SSI)」。

そして、ブロックチェーンは、VCs(Verifiable Credentials)DID(Decentralized Identifier)ゼロ知識証明といった技術と組み合わさることで、その利点を余すことなく活用できます。実際に、ブロックチェーンを採用したデジタルアイデンティティのプロジェクト事例は増えており、技術の進歩とともにそのユースケースや参入企業も多様化していくことでしょう。今はまだ開発段階の技術ですが、今後のさらなる実用化に大きな期待が寄せられます。

自己主権型アイデンティティや関連技術については下記の記事で詳しく解説しています。

ブロックチェーンの応用領域拡大を支える技術発展

暗号資産領域から非金融領域へといたるブロックチェーンの応用領域の拡大は、技術発展に伴って進んできました。本記事では、ブロックチェーンでの応用が検討される、スマートコントラクトとトークン化(Tokenization)の2点について、簡単に説明します。

スマートコントラクト

スマートコントラクトとは、ブロックチェーンシステム上で規定のルールに従い、トランザクションや外部情報をトリガーに実行されるプログラムあるいはコンピュータプロトコルのことです。

1994年にNick Szabo(ニック・スザボ)という法学者・暗号学者によって提唱され、エンジニアのVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)がEthereum基盤上で開発・提供し始めました。

「契約(コントラクト)の自動化」を意味するスマートコントラクトは、事前定義から決済に至るまで、一連の契約のスムーズな検証、執行、実行、交渉を狙いとしています。

スマートコントラクトの仕組みは、しばしば「自動販売機」を例に使って説明されます。

自動販売機はその名の通り、人の手を介さずに自動で飲料を販売する機械であり、①指定された金額分の貨幣の投入、②購入したい飲料のボタンの押下、という2つの条件が満たされることで自動的に「販売契約」が実行されます。

自動販売機自体はとてもシンプルな仕組みですが、「契約の事前定義→条件入力→履行→決済」という一連の流れを全て自動化しているという点でスマートコントラクトの好例といえるでしょう。

なお、スマートコントラクトのブロックチェーン上での呼称は基盤によって異なります。たとえば、Etheruemであればそのまま「スマートコントラクト」と呼ばれていますが、HLF(Hyperledger Fabric)では「ChainCode」と呼ばれています。それぞれ名称は異なるものの、同じくブロックチェーン基盤上でのスマートコントラクトサービスを指している点には注意が必要です。

ブロックチェーンの文脈では、FinTech(フィンテック)における送金業務の自動化やDEX(分散型取引所)、非金融領域では投票システムや国際貿易プラットフォームなど、多岐にわたる形でスマートコントラクトがビジネスプロセス上に実装されており、取引プロセスのデジタル化・自動化による取引コスト削減が期待されています

詳しくは以下の記事でも解説しています。

トークン化(Tokenization)

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暗号資産の世界では、既存のブロックチェーン技術を利用して新たに発行された暗号資産のことをトークンと呼びます。これらは、ビットコインやイーサリアムといった既存ブロックチェーンのシステムを間借りして発行されており、独自のブロックチェーンを持ちません。例えるなら、企業が独自に発行しているポイントに近いものです。

トークン自体は自由に売買することができるため、「交換対象を限定した小さな経済圏を回すための使い捨て貨幣」といった意味合いが強く、決済に使用するだけでなく現実世界の資産やゲーム内の仮想アイテムなど、数多くのシーンで活用されています。ここ最近、「トークン」という言葉をよく耳にするようになった背景としては、ブロックチェーンの適用先となったことが大きな要因ともいえるでしょう。

トークンには、代表的な4つの種類があります。

トークンの種類意味暗号資産以外で例えると…
Utility Token
(ユーティリティトークン)
具体的な他のアセットと交換できて初めて資産性が出てくるトークンパチンコ玉
ギフトカード
Security Token
(セキュリティトークン)
それ自体に金銭的価値が認められるトークン株券
債権
Fungible Token
(ファンジブルトークン)
メタ情報如何にかかわらず区別されないトークン純金(→誰がどこで所有する金1グラムも同じ価値をもつ)
Non Fungible Token        
(ノンファンジブルトークン)
同じ種類や銘柄でも個別に付与されたメタ情報によって区別されるトークン土地(→都会の1平米と田舎の1平米は同じ単位でも価値が異なる)

ブロックチェーンの文脈でいうところのトークン化とは、物理的な資産をブロックチェーン上で取引可能なデジタル資産へと変換することを指します。これにより、地域的な障壁や仲介者を排除し、自由で平等なマーケットにおいて資産を細かく分割できます。

従来のトークン、つまり物理的に現実世界に存在するトークンは第三者による改ざんが重大な弱点であり、コピーガードやOPニス、擬似エンポスといった対策が取られてきました。しかし、それでもなおギフトカード等は偽造品による被害が相次いでおり、その公平性が保たれにくいという課題がありました。

耐改ざん性や透明性といった性質を兼ね備えるブロックチェーン技術によって発行されたトークンではこういった不正行為は極めて困難です。この唯一性の担保をうまく活用し、デジタルチケットやデジタル証券、デジタル身分証など幅広い用途に用いられています。

詳しくは以下の記事で解説しています。

ブロックチェーンの課題

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ブロックチェーンには、その社会普及の壁となる以下3つの課題を抱えています。

  • スケーラビリティ
  • ファイナリティ
  • セキュリティ

この中でも、特に重要かつ深刻なのが、スケーラビリティの問題です。スケーラビリティとは「トランザクションの処理量の拡張性」つまり、どれだけ多くの取引記録を同時に処理できるかの限界値のことを指します。

ブロックチェーンには、未処理のトランザクションが待機しておくメモプールという空間が存在します。処理するトランザクションが増えて記録可能な取引の上限を超過してしまうと、メモプールに大量のトランザクションが留まってしまいます。こうなると、次回以降のブロック生成時まで放置されて取引が完了しなくなるという問題があります。

また、マイナーと呼ばれるトランザクションの承認者は、ガス代(手数料)という経済的なインセンティブによって動いているので、手数料が多いものから処理を行います。すると、自らの取引を優先的にブロックに記録させるために相場より多くの手数料を支払うユーザーが現れ、手数料のインフレが起きてしまうという副次的な弊害もあります。

このように、ブロックチェーンはトランザクションを承認して分散的に保有するという仕組み上、従来のデータベースよりもスケーラビリティが低くならざるを得ないという課題を抱えています。一般に、スケーラビリティは「tps(transaction per second、1秒あたりのトランザクション処理量)」で定義することができますが、代表的なブロックチェーンネットワークは、次のように不十分なスケーラビリティだといわれています。

  • 一般的なクレジットカード: 数万tps
  • ビットコイン(PoWコンセンサスアルゴリズム): 3~7tps
  • イーサリアム(PoSコンセンサスアルゴリズム): 15~25tps
  • コンソーシアム型ブロックチェーンネットワーク(PoAコンセンサスアルゴリズム): 数千tps

この課題に対しては様々なアプローチが試みられています。最も安直な最善策は、メインチェーンのブロック容量と生成スピードの制約を緩和させることです。このアプローチでは、ブロックの容量を増やしたり、生成までの間隔を短縮することで、一回のトランザクションで処理できるデータ量を増加させて待機のトランザクションを減らすことができます。しかし、これによってブロックチェーン本来の分散性が低下する可能性や、システム自体の安定性やセキュリティに影響を及ぼす可能性もあります。

また、金融領域では、「ライトニングネットワーク(Lightning Network)」という新しい概念に注目が集まっています。ライトニングネットワークは、小規模ながら高頻度で行われる取引をオフチェーン(ブロックチェーンの外部)で処理し、最初と最後の取引だけをブロックチェーンに反映させる方法です。

最初の取引でビットコインを送金し、その金額内で自由に送金ができるため、ブロックチェーンのように途中の取引も全て検証する必要がなく、中間の処理を省くことでトレーサビリティ問題に対応しています。

上記のようなアプローチにより、決済の迅速化や高いトランザクション容量の実現が期待されています。たとえば、大手暗号資産取引所のバイナンスはビットコインの取引をライトニングネットワークで実行できるようになったと発表しています。

Binance Completes Integration of Bitcoin (BTC) on Lightning Network, Opens Deposits and Withdrawals

しかし、非金融領域においてはいまだ効果的な解決策は確立していません。こうした原理的な課題は、ブロックチェーンが社会基盤となれるかどうかを左右する、重要な論点だといえるでしょう。

これらのブロックチェーンにおける課題についてはこちらの記事でも解説をしています。

まとめ

本記事では、ブロックチェーンについての仕組みとその周辺知識についてまとめました。

技術進化の一翼を担うブロックチェーンは、現在、様々なビジネスに影響を与えています。今後もさらなる革新が期待され、私たちの日常生活や産業構造に新たな可能性をもたらすことでしょう。

トレードログ株式会社では、非金融領域におけるビジネスへのブロックチェーン導入を支援しています。新規事業のアイデア創出から現状のビジネス課題の解決に至るまで、包括的な支援が可能です。

少しでもお悩みやご関心がございましたら、是非オンライン上で30〜60分程度の面談をさせていただければと思いますので、お問い合わせください。

ブロックチェーンが実現するトレーサビリティとは?事例も紹介!

食の安全、環境問題、倫理的な消費… これらの課題解決に欠かせない「トレーサビリティ」。従来の方法では、複雑なサプライチェーンの中で情報が断絶され、透明性を確保することが困難でした。

そこで選択肢に挙がるのがブロックチェーンです。ブロックチェーンは万能な解決策ではありませんが、複数企業が関与する領域で、“同じ履歴を参照できる状態”と“後から書き換えにくい記録”を両立しやすいという特長があります。

本記事では、ブロックチェーンがトレーサビリティに向く理由を、仕組みと実務目線で整理し、導入イメージにつながる事例まで紹介します。

こんな方にオススメ
取引先や監査に向けて、履歴情報の「証拠性」を高めたい
サプライチェーンで情報共有したいが、データの正しさ・改ざんが不安
真贋証明や不正流通対策を、運用で破綻しない形で設計したい
ブロックチェーンが必要なケース/不要なケースを整理して判断したい

ブロックチェーンとは?

出典:shutterstock

まずは今回のテーマでもあるブロックチェーンについて簡単に説明します。ブロックチェーンは、2008年に暗号資産「ビットコイン」の中核技術として登場した仕組みですが、現在は金融領域に限らず、企業間でデータを共有する際のデータ改ざんを防止するデジタル技術として使われています。

詳しい仕組みを説明すると長くなってしまうので、噛み砕いて説明すると、取引データ(トランザクション)を「ブロック」という単位にまとめ、暗号技術で鎖のようにつなげて、正しい履歴を維持する技術です。データベースの一種ではありますが、管理の考え方が異なります。

従来のデータベースは、中央のサーバ(管理者)が正本を持つ「クライアントサーバ型」が基本です。検索や処理は得意ですが、中央サーバが止まる・侵害されると影響が大きくなるというデメリットもあります。一方のブロックチェーンは、ネットワーク参加者が台帳のコピーを持ち合う「P2P(分散)型」を前提にし、特定の一社だけが正本を握らなくても、履歴の整合性を保ちやすいのが特徴です。

この“書き換えにくさ”の核になるのが ハッシュ値 ナンス です。

ハッシュ値:データから計算される「指紋」のような文字列。同じデータなら同じ値になり、1文字でも変わると別の値になる。ブロックには「直前ブロックのハッシュ値」が含まれるため、途中のデータを改ざんすると鎖のつながりが崩れ、改ざんが露見しやすい。

ナンス(nonce):特定の条件を満たすハッシュ値を得るために使う“使い捨ての数値”。ビットコインのような方式(PoW)では、ナンスを変えながら計算を繰り返し、条件を満たした人が新しいブロックを追加できる(いわゆるマイニング)。

さらに、参加者同士で「この取引は正しい」「このブロックを次につなげてよい」と合意する仕組み(コンセンサスアルゴリズム)を持つことで、管理者がいなくても履歴を更新できます。

※なお、企業向けのブロックチェーンでは、必ずしもマイニング(PoW)を使わず、より現実的な合意方式を採るケースもあります。重要なのは、複数の関係者が同じ履歴を参照し、後から不正に書き換えにくい形で積み上がるという性質です。

こうしたブロックチェーンの「非中央集権性」によって、データの不正な書き換えや災害によるサーバーダウンなどに対する耐性、安価なシステム利用コストといったメリットが実現しています。このような背景から、ブロックチェーンが様々な分野で注目・活用されています。

詳しくは以下の記事で解説しています。

トレーサビリティとは?

続いて、もう一つのテーマでもあるトレーサビリティについても説明します。この言葉は、トレース(Trace:追跡)とアビリティ(Ability:能力)を組み合わせた言葉で、製品や原材料が「いつ・どこで・どんな状態だったか」を、あとから根拠をもって辿れる状態を指します。ポイントは、担当者の記憶や勘ではなく、記録としてつながっていることです。データがひもづいていなければ、いざというときに速く・正確に判断できず、説明もできません。

トレーサビリティが必要になる場面は、事故や不具合対応だけではありません。近年は、規制対応や取引先からの開示要求、サステナビリティ情報の提示など、「なぜこの製品を扱っているのか」を問われる機会が増えています。つまり、トレーサビリティは“守りのための仕組み”であると同時に、平時の説明責任を支えるインフラにもなっています。

トレーサビリティは、追う「方向」によって次の2つに整理できます。

トレースフォワード(追跡):ある原材料・部品・ロットを起点に、「それが使われた製品」「どこに出荷されたか」を下流に向かって追う考え方。回収範囲の特定や出荷停止判断、顧客通知などで効果を発揮する。

トレースバック(遡及):不具合品やクレームを起点に、「どの原材料・工程・条件が関係したか」を上流に向かって遡る考え方。原因究明や再発防止、監査時の根拠提示で重要になる。

例えば、食品業界のサプライチェーンにおいて、流通段階で食品に関する問題が発覚したとしましょう。この場合、問題食品に関わる事業者は、まず、その問題食品のルートを追跡して商品を回収する必要があります。また、次に、同じ問題が起こらないように問題食品のルートを遡及して原因を究明する必要もあります。

実務では「トレースフォワード」と「トレースバック」の両方がそろって初めて、「追える状態」が事故対応・品質改善・説明責任のいずれにも耐えるようになるのです。

トレーサビリティについてもう少し基礎から整理したい方は、下記の記事も参考にしてください。

なぜ、トレーサビリティが求められているのか

トレーサビリティの概要を理解したところで、今度はサプライチェーンマネジメント(ある商品の企画から消費に至るまでの商流の管理や最適化)においてトレーサビリティが重要視される理由について大きく2つの観点から解説します。

消費者保護

一つ目は、消費者保護の観点です。トレーサビリティが担保されることで、消費者は、「その商品を買っても大丈夫かどうか」を客観的な情報から判断することが可能になり、安心して消費行動を行うことができます。

例えば、スーパーマーケットで今晩の食材を選んでいるシーンを想像してみましょう。久しぶりにお刺身を食べたいと思ったあなたは、生鮮食品コーナーでパック詰めされた魚介類を物色しています。ここで、私たちは必ず、パックの表面に貼られた食品表示のシールを眺め、「そのお魚がどこで獲られ、鮮度はどのくらいなのか」といった情報を読み取ります。

出典:新潟市「食品表示法による表示について(新法に基づく表記)」

この行動によって、直接自分で獲ったわけではなくとも、その食材を食べても健康に被害が生じないであろうと、信用することができます。逆に、もし食品表示がされていなかったとしたら、私たちは安心してその食材を買うことができません。つまり、食品表示は、消費者や消費行動を保護するために義務付けられているのです。

そして、この食品表示は「その食材が、いつ、どこで、誰によって調達され、どうやって運ばれてきたのか」といった物流の履歴情報を把握すること、すなわちトレーサビリティを確保すことによって可能になっています。

この例のように、トレーサビリティは、商品情報の開示に役立つという点で、消費者保護に一役(どころか何役も)買っているといえるでしょう。

ブランド保護

二つ目は、ブランド保護の観点です。先ほど述べたように、消費者は、商品そのものの品質だけではなく、その商品(や商品に関わる企業)に対する「信用」に対してもお金を払っています。こうした、商品や企業活動のあり方に対するイメージに基づいた信用、つまりブランドのある商品には消費者も多くのお金を払ってくれますが、逆に信用が落ちた商品、つまりブランドのなくなった商品にはお金を払ってくれなくなります。したがって、企業が長く自社商品から利益を得続けるためには、自社のブランドを高め、維持し続けていく必要があります。

しかし、逆にこうした消費者の心理をうまくついて、ブランド品そっくりの偽造品をつくるなどの手口で、一時的に利益を稼いでいる業者も少なくありません。偽造品が市場に大量に出回ってしまうと、需要と供給のバランスが崩れることによる値崩れだけではなく、品質の悪い粗悪品を消費者が手にしてしまうことにより信用が低下し、ブランドが毀損してしまいます。そのため、企業はそうした偽造品などによる外部攻撃から、うまく自社ブランドを守っていかなければなりません。

トレーサビリティは、こうした偽造品対策の一環としても強く意識していく必要があるキーワードなのです。

トレーサビリティにおけるブロックチェーンの適用可能性

では、いよいよ本題です。ブロックチェーンは、なぜトレーサビリティの文脈で検討されるのでしょうか。

ブロックチェーンはもともと、暗号資産の基盤技術(1.0)として登場しました。その後、スマートコントラクトを通じて金融取引や決済、証券などの分野へ用途が広がり(2.0)、近年では、企業間でデータを共有・管理する非金融領域(3.0)へと活用範囲が拡張しています。

トレーサビリティでブロックチェーンが注目されるのは、この「3.0」の文脈です。サプライチェーンのように、複数の企業・拠点・立場が関与する環境では、履歴を「誰かの帳簿」ではなく、「同じ前提で参照できる情報」に寄せること自体が難題になります。ブロックチェーンは、この点に対して技術的な優位性を持っているのです。

以下では、トレーサビリティにおいてブロックチェーンの適用が検討されやすい論点を整理します。

適用が検討される論点① 正本を誰が持つか

企業間で履歴を共有しようとすると、多くの場合「どこが正本を持つのか」という問題に直面します。従来型のシステムでは、元請企業や特定のプラットフォームが正本を管理し、他社はそれを参照する構造になりがちです。しかしこの設計では、

  • 正本管理者に運用負担と責任が集中する
  • 他社から見ると「その会社をどこまで信用するか」という問題が残る

といった摩擦が生じやすくなります。ブロックチェーンは、特定の一社だけが正本を握らなくても、参加者間で同じ履歴を共有できる構造を取れます。「誰かのデータ」ではなく、「合意された履歴」を前提にできる点が、企業間トレーサビリティと相性が良い理由です。

適用が検討される論点② 多対多連携の複雑さ

サプライチェーンでは、企業ごとにシステム、記録粒度、更新タイミングが異なります。その結果、実務では「各社がそれぞれ記録し、必要なときに突き合わせる」運用になりがちです。この方式は、平時は回っていても、

  • 事故発生時
  • 監査対応
  • 取引先からの説明要求

といった場面で、一気に確認コストが跳ね上がります。ブロックチェーンは、履歴を“共有前提”で積み上げていくため、後から整合性を確認するための照合作業を減らす方向に設計できます。これは単なるシステム効率化ではなく、説明や判断を速くするための構造的な違いだといえるでしょう。

適用が検討される論点③ 証拠性の担保

トレーサビリティでは、「追えるかどうか」だけでなく、「その履歴を証拠として扱えるかどうか」が重要になります。企業・拠点をまたぐ履歴ほど、「後から書き換えられていないか」「どれが最終的な情報なのか」を疑われやすくなります。

ブロックチェーンは、履歴が時系列で連なり、後からまとめて修正することが難しい構造を持っています。そのため、監査や取引先説明の場面で、「後から都合よく直したのではないか」という疑念を持たれにくい状態を作りやすくなります。

ここで重要なのは、「絶対に改ざんできない」ことよりも、改ざんを疑われにくい設計を取れるかどうかです。ブロックチェーンは、この点で実務的なメリットを発揮します。

適用判断のポイント

ブロックチェーンは、トレーサビリティを“実現するための必須技術”ではありません。単一企業内や、関係者が限定されている領域では、従来型のデータベースの方が合理的なケースも多くあります。一方で、

  • 複数企業が関与する
  • 正本を一社に寄せにくい
  • 履歴の証拠性が強く求められる

といった条件が重なるほど、ブロックチェーンは現実的な選択肢として浮上します。

ただし、ブロックチェーンは入力される情報の正しさそのものを保証する技術ではありません。何を記録し、どの時点で確定し、誰が責任を持つのかといった業務設計とガバナンスが前提にあって初めて、その強みが活きてきます。

トレーサビリティにおけるブロックチェーンは、「追跡機能」ではなく、企業間で履歴の合意と証拠性を成立させるための基盤として位置づけると、適用判断がぶれにくくなるでしょう。

ブロックチェーンの適用によるサプライチェーン・マネジメント事例

ここからは実際にブロックチェーンの導入によってサービスのトレーサビリティを実現している事例についてご紹介します。

海外事例:ウォルマート × IBM

出典:Forbes JAPAN

ブロックチェーンのトレーサビリティへの応用事例として有名な例が、アメリカを拠点とする大手スーパーマーケットチェーン「ウォルマート(Walmart)」です。売上額で不動の世界一に君臨し続ける小売企業であり、その従業員数は200万人以上ともいわれています。

そんな規格外のマーケットを持つ同社では世界中に調達経路を保有しているため、食品トレーサビリティの確保が困難になっていました。従来のシステムでは、仮に食中毒や異物混入といった問題が発生した際に原因や責任の所在を特定するための調達経路の追跡に時間がかかり、結果として商品の回収までに多くの手間とコストが発生していたのです。

そうした状況で、ウォルマートは2016年という早い時期からブロックチェーンの実証実験を開始。マンゴーや豚肉といった商品のトレーサビリティの実現という結果を得ると、翌年にはIBMとも連携して本格的にブロックチェーンの導入に踏み切りました。

IBMは食の信頼構築を目指す業界プラットフォーム「IFT : IBM Food Trust」というサービスを提供しており、ウォルマート社以外にも「カルフール」「ユニリーバ」「ネスレ」といった大企業が加盟しています。

このサービスではサプライチェーンのあらゆる段階でトランザクションを記録して流通の透明性を確保し、食品業界が抱える食品安全リスクを低減させます。また、サプライチェーン全体でデータを共有・管理できるため、システムそのものを最適化してフードロスも最小限にできます。

日本は欧米諸国と比べると、牛肉と米以外の食品のトレーサビリティ導入に法的な強制力がなく、食品トレーサビリティにおいてはかなり遅れをとっています。そういった面からも今後、政府による法的規制や国際競争力の低下といった影響を受けて国内の企業および生産者は対応に迫られる可能性が高いといえるでしょう。

国内事例①:旭化成 × TIS

出典:Pixabay

食品トレーサビリティでは後塵を拝している日本ですが、国内では真贋証明などにブロックチェーンのトレーサビリティが応用されています。旭化成とTISが提供する「Akliteia(アクリティア)」では、旭化成が独自技術によって開発した「透明で偽造困難なラベル」を利用。工場から倉庫、店舗など、サプライチェーンの各拠点でスキャン認証をすることで、その製品が真正品であるかどうかを確認でき、正確な市場流通量を把握することが可能になります。

当初は皮革製品・鞄などのアパレル業界向けに提供されていましたが、2023年4月には高級うにの正規品証明にも利用されるなど、その利用範囲は拡大しています。

旭化成とTIS、ブロックチェーン「Corda」活用で「生うに」の偽造防止へ(あたらしい経済) – Yahoo!ニュース

これは、サプライチェーン・マネジメントの中でも、特に「偽造品対策」にフォーカスした課題解決の方法として、ブロックチェーンによるトレーサビリティシステムを構築しようという事例です。

国内事例②:ザ・ギンザ × トレードログ

出典:ザ・ギンザ(THE GINZA) オフィシャルサイト

資生堂のプレステージラインであるザ・ギンザではRFID/QRを利用した真贋証明に取り組んでいます。国外人気も高い同社の製品は、偽造品が出回ることも少なくありませんでした。そこで製品にRFIDとQRの二層タグを取り付け、流通経路をユーザーが簡単に把握できるようにすることで、正規品であるか否かがすぐに判別できる仕組みを実現しました。

またユーザー自身が読み取ることでポイントを付与し、「ザ・ギンザ メンバーシップクラブ」内のステージに応じた特典が提供できる仕様となっており、トレードログ社が開発しているIoT 連携のブロックチェーンツールによって製品のトレーサビリティを通してマーケティングやユーザー体験の向上といったシームレスな顧客体験を実現しています。

国内事例③:日本IBM × ヘルスケア・ブロックチェーン・コラボレーション

出典:Pixabay

ブロックチェーンを様々な領域で応用している日本IBMですが、医薬品のトレーサビリティにおいてもブロックチェーン活用の道を模索しています。同社は、2018年に設立されたコンソーシアム「ヘルスケア・ブロックチェーン・コラボレーション(HBC)」と共に、医薬品の流通経路と在庫の可視化を目指す取り組みを進めています。

同社の発表によると、医薬品の適正な流通を確保するために医薬品卸や物流企業も協力し、新たな「医薬品データプラットフォーム」の構築を計画しています。製薬から医療機関への流れの可視化を目指し、2023年4月から運用検証が開始されます。

医薬品流通経路および在庫を可視化するプラットフォームの運用検証を開始

今回の取り組みには、既にHBCに参加していた塩野義製薬、武田薬品、田辺三菱製薬、ファイザーに加えて、新たに製薬5社、医薬品卸7社、物流会社4社が参加しており、製薬業界に留まらず、医薬品の製造から流通まで業界を横断して一貫したデータを共有し、医療機関における処方や調剤、投与の流れを見える化できるでしょう。

さらに、地域医療の向上を目指し、医療機関での薬剤使用情報を活用する機能も開発される予定です。したがって、同プロジェクトは地域フォーミュラリ推進に貢献する一翼を担う期待のプロジェクトという側面もあります。医薬品のトレーサビリティが実現すれば、医薬品の適正流通在庫管理の効率化という新たな価値を医療分野にもたらすことでしょう。

まとめ

今回はブロックチェーンによって実現できるトレーサビリティについて解説しました。まだまだ国内におけるサプライチェーンの透明性を確保できている企業は多くはありません。しかし今後、日本においても諸外国のような法規制が導入されることは必然のことでしょう。

トレーサビリティによって製品の情報をつまびらかにすることは、産業構造に対してこれまでと異なるインパクトを与え、クリーンな取引や二次流通マーケットの活性化といった副産物ももたらすと想定されます。ひと足先にブロックチェーンを導入し、自社の製品の流通経路を可視化して他社と差別化を図ってみてはいかがでしょうか。

トレードログ株式会社は、ブロックチェーン開発・導入支援のエキスパートです。弊社はコラム内で取り上げたザ・ギンザのプロジェクトにおいても技術支援を行っており、トレーサビリティ実現の経験も豊富です。

ブロックチェーン開発で課題をお持ちの企業様やDX化について何から効率化していけば良いのかお悩みの企業様は、ぜひ弊社にご相談ください。貴社に最適なソリューションをご提案いたします。

【業界動向】物流×ブロックチェーンは何を実現する?最新の活用事例も!

ブロックチェーンは、その世界市場規模が2030年までに4,694億9,000万ドルに成長すると予測されている有望技術です。とくに物流業界とは相性がよく、在庫管理や偽造品排除などさまざまな側面から注目を集めています。IBMなどが取り組んでいる事例と共に最新の物流DX動向に迫ります。

いま、「物流×ブロックチェーン」が熱い。

2025年現在、物流の一連の流れを最適化するという「ロジスティクス」とブロックチェーンを掛け合わせたビジネスが、世界的な盛り上がりを見せています。

今まで話題になることが多かったブロックチェーンの用途は、ビットコインなどの仮想通貨、NFTなどの独自トークンなどでしょう。しかし、近年ではサプライチェーンマネジメントの観点から国内外の企業においてブロックチェーンの導入が浸透しつつあります。

MarketsandMarkets社の発表したレポートによると、世界のサプライチェーンマネジメント (SCM) の市場規模は、2020年の約2億5300万ドルから2026年32億7200万ドルまで約53.2%のCAGR(年平均成長率)で成長すると予測されています。

Blockchain Supply Chain Market Growth, Size, Share, Trends, Revenue Forecast & Opportunities | MarketsandMarkets™

このことからも近い将来、物流とブロックチェーンは切っても切れない関係になるでしょう。では、ブロックチェーンが実現するサプライチェーンマネジメントとは一体なんなのか、そもそもブロックチェーンとはどういう技術なのかについて軽くおさらいしましょう。

ブロックチェーンとは?

出典:shutterstock

ブロックチェーンは、2008年にサトシ・ナカモトと呼ばれる謎の人物によって提唱された暗号資産「ビットコイン」の中核技術として誕生しました。

ブロックチェーンの定義には様々なものがありますが、噛み砕いていうと「取引データを暗号技術によってブロックという単位でまとめ、それらを1本の鎖のようにつなげることで正確な取引履歴を維持しようとする技術のこと」です。

取引データを集積・保管し、必要に応じて取り出せるようなシステムのことを一般に「データベース」といいますが、ブロックチェーンはそんなデータベースの一種です。その中でもとくにデータ管理手法に関する新しい形式やルールをもった技術となっています。

ブロックチェーンにおけるデータの保存・管理方法は、従来のデータベースとは大きく異なります。これまでの中央集権的なデータベースでは、全てのデータが中央のサーバーに保存される構造を持っていました。したがって、サーバー障害や通信障害によるサービス停止に弱く、ハッキングにあった場合に、大量のデータ流出やデータの整合性がとれなくなる可能性があります。

これに対し、ブロックチェーンは各ノード(ネットワークに参加するデバイスやコンピュータ)がデータのコピーを持ち、分散して保存します。そのため、サーバー障害が起こりにくく、通信障害が発生したとしても正常に稼働しているノードだけでトランザクション(取引)が進むので、システム全体が停止することがありません

また、データを管理している特定の機関が存在せず、権限が一箇所に集中していないので、ハッキングする場合には分散されたすべてのノードのデータにアクセスしなければいけません。そのため、外部からのハッキングに強いシステムといえます。

ブロックチェーンでは分散管理の他にも、ハッシュ値ナンスと呼ばれる関数によっても高いセキュリティ性能を実現しています。

ハッシュ値は、ハッシュ関数というアルゴリズムによって元のデータから求められる、一方向にしか変換できない不規則な文字列です。あるデータを何度ハッシュ化しても同じハッシュ値しか得られず、少しでもデータが変われば、それまでにあった値とは異なるハッシュ値が生成されるようになっています。

新しいブロックを生成する際には必ず前のブロックのハッシュ値が記録されるため、誰かが改ざんを試みてハッシュ値が変わると、それ以降のブロックのハッシュ値も再計算して辻褄を合わせる必要があります。その再計算の最中も新しいブロックはどんどん追加されていくため、データを書き換えたり削除するのには、強力なマシンパワーやそれを支える電力が必要となり、現実的にはとても難しい仕組みとなっています。

また、ナンスは「number used once」の略で、特定のハッシュ値を生成するために使われる使い捨ての数値です。ブロックチェーンでは使い捨ての32ビットのナンス値に応じて、後続するブロックで使用するハッシュ値が変化します。コンピュータを使ってハッシュ関数にランダムなナンスを代入する計算を繰り返し、ある特定の条件を満たす正しいナンスを見つけ出す行為を「マイニング」といい、最初にマイニングを成功させた人に新しいブロックを追加する権利が与えられます

ブロックチェーンではマイニングなどを通じてノード間で取引情報をチェックして承認するメカニズム(コンセンサスアルゴリズム)を持つことで、データベースのような管理者を介在せずに、データが共有できる仕組みを構築しています。参加者の立場がフラット(=非中央集権型)であるため、ブロックチェーンは別名「分散型台帳」とも呼ばれています。

こうしたブロックチェーンの「非中央集権性」によって、データの不正な書き換えや災害によるサーバーダウンなどに対する耐性が高く、安価なシステム利用コストやビザンチン耐性(欠陥のあるコンピュータがネットワーク上に一定数存在していてもシステム全体が正常に動き続ける)といったメリットが実現しています。

データの安全性や安価なコストは、様々な分野でブロックチェーンが注目・活用されている理由だといえるでしょう。

詳しくは以下の記事でも解説しています。

現代ビジネスに欠かせないサプライチェーンマネジメントとは?

サプライチェーンマネジメント=生産フローの最適化

サプライチェーン・マネジメント(SCM)とは
出典:ITトレンド

サプライチェーンマネジメントとは、その名のとおり、原材料の調達から製造、販売までの生産プロセス(サプライチェーン)を管理することです。在庫管理、出荷などの各段階でデータを取得・共有することで、各工程における無駄を省き、従来埋もれていたデータを有効活用することで、新たなビジネス戦略を構築することも可能になります。

サプライチェーンマネジメントの実現によって、具体的には以下のようなメリットが得られるでしょう。

  • 配送や出荷における時間や労力の無駄を減らせる
  • 原材料を必要な分だけ調達できるようになる
  • プロセス全体を可視化し、透明性を高めることができる
  • 自動認証により人的ミスを排除できる
  • 温度管理が必要な商品を最適に管理・配送できる
  • 機械的に在庫要件を予測できる

なぜサプライチェーンを管理する必要があるの?

現代のマーケットではネット上で商品の取引が行われ、消費者のもとに届くまでに複数の業者が携わることが一般的になっています。生産すれば生産した分だけ売れるという時代は過去の話となり、必要な商品を必要なだけ生産することが重要です。そんな多くのモノであふれる時代においてグローバルな競争に打ち勝つためには、サプライチェーン全体でリソースや情報を共有し、欠品や過剰在庫を回避する必要があります。

また、消費者がインターネットやモバイルで商品を見つけると、いますぐに入手したいと考えるでしょう。この消費者のニーズに応えるには、常に在庫を確保し、スピーディーな配送環境を整える必要があります。一方で、企業や部門ごとに独自に生産量や在庫を管理してしまうと、余剰在庫が発生して機会損失が増加する可能性があります。したがって、ユーザーの要望に合わせた効率的な生産と供給を実現するためには、サプライチェーンの管理が必要不可欠なのです。

ブロックチェーンと物流課題の相性の良さ

ブロックチェーン技術の特徴である「非中央集権性」や、サプライチェーンを取り巻く現状を踏まえると、なぜ今「物流×ブロックチェーン」が注目されているのでしょうか。その理由を一言でいえば、「物流業界のニーズとブロックチェーン開発会社のシーズが見事に一致したから」と言えるでしょう。

物流業界のニーズ

物流業界には長年解決されていない課題が存在していました。特に、「業界全体の取引をデジタル化しようにも、プレーヤーが多すぎて中央のデータベースを管理する主体が決まらない」という点が大きな障害となっていました。各企業が独自に情報を管理し、共有することが難しいため、効率的な取引が阻まれていたのです。

これに対し、ブロックチェーンは「非中央集権性」を特徴としており、中央の管理者がいなくてもシステム全体が安全に運営できる仕組みを提供します。具体的には、取引データの共有が透明で改ざん不可能な形で行われ、複数のプレーヤーが協力し合うことで利害の衝突を避けながら、より効率的に情報を交換できます。物流業界が抱えていた課題を解決するために、まさに最適な技術がブロックチェーンだったのです。

ブロックチェーン開発会社のシーズ

一方、ブロックチェーンの開発会社にとっては、技術的な進展が金融分野を超えてさまざまな領域に応用可能であることが明らかになり、次なるビジネス機会を求めていました。特に、暗号資産(仮想通貨)に依存しない新たな適用領域を模索していたのです。開発会社がシーズとして注目した条件は、以下の通りです。

  • データベース共有によるコスト削減メリット:物流業界はプレーヤーが多いため、非効率的な取引が行われており、ブロックチェーンによるコスト削減の可能性が大きい。
  • 非中央集権性:中央の管理者が不在でもシステムが円滑に機能する環境が求められるため、「GAFAのような中央集権的な存在がいない」業界が理想的。
  • 優れたトレーサビリティ(データの追跡可能性):物流業界にはしばしば情報の不正確さや不透明さが問題となっており、ブロックチェーンの優れたトレーサビリティ機能が重要視されていました。

これらの条件に合致する業界として、まず不動産や医療分野が注目されました。不動産業界では、物件の所有権や取引履歴の管理が複雑で、中央集権的な管理が必要です。ブロックチェーンを利用することで、物件情報を透明かつ安全に管理でき、取引の効率化とコスト削減を実現します。医療分野でも、患者情報や治療履歴の管理の透明化が求められ、ブロックチェーンによる情報共有が診療の質向上とコスト削減に寄与することが期待されています。

特定の業界でブロックチェーンのビジネス導入が進むと、今度はより多くのプレイヤーが絡むサプライチェーンの透明化へとその舞台を移し、物流業界は適用領域の一つとして検討が進みました。物流業界では、複数の企業が関与するため、取引の透明性や追跡可能性が重要です。ブロックチェーン技術を導入することで、商品の流れや品質、運送状況などの情報を一元的に管理でき、取引の信頼性を高めるとともに、サプライチェーン全体のコスト削減が実現可能となります。

このように、複数のプレイヤーが関わる物流業界は、データ共有やトレーサビリティの向上、コスト削減が求められており、ブロックチェーンの特性がそのニーズにうまく応える形で注目されているのです。

物流におけるブロックチェーンの適用シーン

ここまではブロックチェーンとサプライチェーンマネジメントの概要について見てきました。サプライチェーンマネジメントはブロックチェーンがなくとも実現できる概念ですが、ブロックチェーンを導入することで可能になることも数多くあります。ここからは、ブロックチェーンによるサプライチェーンの管理についてご紹介します。

在庫管理

出典:Pixabay

前述のようにブロックチェーンは、取引の正当性を中央サーバーではなく、ネットワークの全参加者が共有情報として扱います。そのため、データの改ざんが非常に困難であるうえ、情報の迅速な共有と作業効率化が可能です。

従来の在庫管理では、それぞれの企業が独自のデータベースでストック管理をしていたため、企業間の情報共有に時間的な問題や、正確性の問題がつきものでした。

ブロックチェーンを用いた在庫管理では、QRコードやICタグ(RFID)とリーダーを使って位置情報をリアルタイムで記録します。これにより、在庫情報が正確に把握でき、大規模な棚卸作業が不要になります。

ネットワークの参加者全員で情報を共有するため、情報の共有に伴う煩雑な事務作業が不要になります。メールやチャットを介することなく、プラットフォーム上でスムーズに情報を得られ、多くの業務が効率化するでしょう。

実際に、ウォルマート、ネスレ、ユニリーバなどの有名企業では、在庫の追跡にブロックチェーンを自社のビジネスに導入しています。

国際配送

出典:Pixabay

国際配送業界の情報システムは、デジタル社会となったいま現在も書類ベースで作業を行っています。参照する電子データもリアルタイムに更新されるものではなく、数十年前のEDI(インターネットや電話回線を通じたデータ交換)が現役で使用されているのです。

こういった状況から、国をまたいだ関係各社同士での連携においては、絶えずオペレーションエラーのリスクを抱えながら、ヒトによる非効率な突合作業が繰り返されることで、必要以上の膨大なコストがかかってしまっています。さらに、国際荷物の配送には原産地証明書が必要になるケースや、現地配送業者による不正行為などが問題になっており、この傾向は産業のグローバル化に伴ってますます顕著になっています。

こういった現象を踏まえて、現在の物流プロセスを簡素化しながら各商品を追跡できるというブロックチェーンの利点を生かしている企業もあります。バラバラに行われていた国際配送を一元管理することで、配達時間と不正行為を検出し、収益性・安全性の向上が見込めるのです。

決済

出典:Pixabay

ブロックチェーンは、セキュリティと透明性を確保しながら、国境を越えた支払いを簡素化できます。この仕組みにはスマートコントラクトという技術が用いられています。スマートコントラクトは、契約の条件を自動的に強制する自動実行契約です。買い手と売り手の双方の取引条件が満たされた場合にのみ、自動的に支払いが行われるように指定できます。

このスマートコントラクトの仕組みは自動販売機を例に説明されることが多いです。自動販売機では、顧客がお金を投入し、商品を選択すると、条件(投入額が商品の価格を上回る)が満たされた場合、自動的に契約が成立し、商品が提供されます。逆に条件が満たされていない場合、契約は成立せず、商品は提供されません。

このように、特定の条件をプログラムに組み込んでおき、それが満たされ際に契約が自動的に実行される仕組みを活用することで、特定のプロセスを自動化して仲介業者のコストを排除することが可能になるでしょう。

米国のペイメント事業大手Visa は、ブロックチェーンとスマートコントラクトに基づいて、請求と支払いの管理に役立つ独自の決済サービスを展開しています。

偽造品排除

出典:Pixabay

偽造品は物流業界にとって最大の脅威の一つであり、ICC(国際商業会議所)およびINTA(国際商標協会)の報告によると、偽造品が世界経済に与える損失は令和4年には4兆6,800億ドル(約515兆円)に達するともいわれています。これは驚異的な額であり、偽造品問題がいかに深刻で広範囲にわたるものであるかを物語っています。しかしながら、これまで偽造品問題が解決できなかった理由は、既存の物流システムが「トレーサビリティ」、すなわち商品の追跡可能性を完全に高めることができなかったためです。

物流業界では、商品がどのように、そして誰が関与したのかを正確に追跡することが極めて重要です。従来のシステムでは、商品に関する情報が複数のステークホルダー間で分散しており、その透明性と正確性が欠如していました。そのため、偽造品が正規品として流通しやすく、取り締まりが非常に困難でした。

しかし、ブロックチェーン技術はこの課題に対して画期的な解決策を提供します。ブロックチェーンは、全ての取引データを時系列順に格納し、改ざん不可能な形で保存することができます。これにより、商品の履歴や取引経路が透明化され、「いつ」「どこで」「誰が」関与したのかが正確に把握できるようになります。分散型のデータ管理システムにより、情報は一元管理されることなく複数のノードに分散され、信頼性とセキュリティが強化されます。

このように、ブロックチェーン技術を活用することで、物流業界におけるトレーサビリティが飛躍的に向上し、商品の真贋を確実に確認できるようになります。これにより、偽造品が市場に流通するリスクを大幅に低減させることができ、消費者や企業の信頼を回復するだけでなく、物流業界全体の効率化と透明性向上にもつながります。偽造品問題への効果的な対策として、ブロックチェーンは今後、物流業界における重要な技術となるでしょう。

物流業界におけるブロックチェーンの活用事例

日本IBM×HBC

出典:日本IBM 公式サイト

日本IBMは、2023年4月から医薬品データプラットフォームの運用検証を開始しています。このプラットフォームはブロックチェーン技術を使用して、医薬品の流通経路と在庫を可視化するためのもので、製薬企業、医療機関、医薬品物流企業などが参加します。プラットフォームはHyperledger Fabricというブロックチェーン基盤を使用し、医薬品の品質保持と偽造品の防止を強化しています。

このプロジェクトは、主要製薬企業も加入するコンソーシアム「ヘルスケア・ブロックチェーン・コラボレーション(HBC)」において検討されてきたもので、参加企業はプラットフォーム上で医療機関の在庫情報を管理し、品質管理や事業継続計画に関する情報を共有します。これにより、医薬品の安全性とトレーサビリティーが向上することを目指しています。

医薬品のトレーサビリティーは、品質保持や偽造品の防止などの観点から重要であり、欧米では既に法制化されています。たとえばアメリカでは、2000年代から州単位で医薬品のトレーサビリティに関する法律が制定されていました。これを全国基準にして、州を越えた医薬品のトレーサビリティを確立しようというのが、2013年制定の「医薬品サプライチェーン安全保障法」です。

日本では、国家レベルでトレーサビリティの実現に取り組まれているのは牛と米の食品トレーサビリティです。これらが法制化されたのは2000年代初頭に起きたBSE(狂牛病)問題と2008年に起きた事故米(汚染米)不正転売問題という事件が表層化したことがきっかけです。

責任追及の観点から受動的な動きによって制定された背景からもわかるように、日本では国家レベルで産業へ厳しい規制をかけるのをためらう風潮があるため、こうした分野では民間企業による主導が効果的かもしれません。日本の医薬品の安全性と相互運用性を世界基準に引き上げるうえで、今後も注目せずにはいられないプロジェクトです。

日本通運

「偽造品排除」の文脈でうまくビジネス利用しようとしているのが、日通(日本通運)です。

2020年3月9日の日本経済新聞の記事によると、「日本通運はアクセンチュアやインテル日本法人と組み、ブロックチェーン(分散型台帳)を活用した輸送網の整備に乗り出」し、「倉庫の整備などを含め最大1千億円を投資する」ことで、「偽造医薬品の混入を防ぐための品質管理に生かし、将来は消費財全般に応用する」ことを発表しています(「」内は同記事からの引用)。

上図のように、ブロックチェーンを利用した偽装品排除の取り組みでは、メーカーから小売に至るまで、川上から川下のデータを同一クラウドデータベース上にすべて紐づけていくことで、ある商品がいつ、どこで、誰によって、どんな状態で管理されているかを可視化することができるようになります。

これにより、商品のトレーサビリティが高まり、産地やハラールの認証、違法コピーなど様々な偽造品問題を解消できるのではないか、と期待されています。

トレードワルツ

国際物流におけるブロックチェーン導入の代表例ともいえるのが株式会社トレードワルツ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小島 裕久)の「TradeWaltz」です。同サービスはブロックチェーンを基盤に、貿易手続きの完全電子化を目指す貿易情報連携プラットフォームです。

現在の国際物流システムにおいて、荷主、保険会社、物流会社、税関といった貿易の関係者は各社で独自のシステムを持っていますが、これらのシステムとデータは相互に連携できていないケースがあります。そうした場合、煩雑な書類手続きが必要で、紙ベースで送受信された情報を各社が手動で転記しなければいけません。書類エラーにより手戻りも頻発します。

このような貿易取引の課題を解決するのが、貿易情報連携プラットフォームTradeWaltzです。

TradeWaltzでは、各企業のシステムと接続することで、関連書類の電子的な送受信と保管をアプリ上で行うことができ、業務の効率化を図っています。情報の正確性に関しては、ブロックチェーン技術を用いてドキュメントの原本を保証して改ざんを防ぐため、データを安全かつ信頼性の高いものとして扱うことができます。

日本と世界のアナログな貿易手続きの完全電子化・業務効率化を実現するこのソリューションは、名だたる企業からの注目を集めています。2020年11月に事業を開始すると、NTTデータや三菱商事、丸紅といった大企業から資金を調達しており、2023年5月には新たに住友商事が出資に加わり、累計の資金調達額が56.5億円に達しました。

トレードワルツが16.5億円を追加調達、累計56.5億円に──住友商事が新たに参画 | CoinDesk JAPAN

タイ、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドが持つ4カ国の貿易プラットフォームと、同時にブロックチェーン上でAPI接続する世界初の取り組みに成功し、今後は日本・インド太平洋地域間の貿易DXを推進するとのこと。「ブロックチェーン×物流」のリーダー的存在として活躍の場を大きく広げています。

まとめ

この記事では物流業界におけるサプライチェーンマネジメントの重要性と、ブロックチェーンの導入について詳しく見てきました。

実際の事例からも、多数のステークホルダーが存在し、サプライチェーンが複雑化する現代の物流システムでは、ブロックチェーンのような安全かつ分散的な技術が大きな期待を背負っていることがわかります。

ブロックチェーンを在庫管理などに活用することで、正確な在庫情報の確保や情報の共有がスムーズになり、効率化が図れます。しかし、導入には技術的な課題やセキュリティの懸念などもあるため、慎重な計画と実装が必要です。将来のブロックチェーン化に備えるためにも、一度自社のビジネスを見直してみてはいかがでしょうか。

トレードログ株式会社は、ブロックチェーン開発のエキスパートです。食品業界や製造業、物流業界などさまざまな業界に精通し、一社一社のビジネスモデルに最適化されたブロックチェーン開発を行います。

少しでも自社ビジネスに課題をお持ちでしたらぜひトレードログ株式会社にご相談ください。貴社に最適なソリューションをご提案いたします。

ブロックチェーンを活用したビジネスモデルとは?非金融分野の応用領域も解説します!

高いセキュリティと分散的なエコシステムによって多くの注目を集めているブロックチェーン。そのビジネスモデルは仮想通貨から始まり、非金融領域でのトレーサビリティなどへの応用を経て、いまではDAppsやNFTといったweb3の先端技術を支える存在となっています。今後、日本企業でも続々とビジネスへブロックチェーンが活用されていくことでしょう。

この記事ではそんな展望を踏まえ、ブロックチェーンのビジネス活用について基礎から応用まで詳しく解説していきます。

    ブロックチェーンビジネス市場の現状(2024年現在)

    経済産業省が「ブロックチェーンは将来的に国内67兆円の市場に影響を与える」との予測を発表してから約8年が経過しました。

    出典:総務省『「ブロックチェーン等による生産性向上」 “miyabi”ソリューションの活用について』

    いまだ成長中であるブロックチェーン業界は、この約8年間でそのシステムや適用シーンを柔軟に変えながら、社会に適合してきました。なかでも、経産省がビジネスへの応用が進むとしていた次の5つのテーマでは、既存産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んできました。

    # 社会変革のテーマ 社会実装の方向性 活用事例
    1 価値の流通・ポイント化・プラットフォームのインフラ化 トークン活用 NFT、ICO、STO、ファンビジネス、地域通貨
    2 権利証明行為の非中央集権化の実現 不動産領域における登記などの権利証明 LIFULL、積水ハウス、Propy
    3 遊休資産ゼロ・高効率シェアリングの実現 医療プラットフォーム、NFTチケット 日本IBM、サスメド、LAWSON TICKET NFT、チケミー
    4 オープン・高効率・高信頼なサプライチェーンの実現 物流プラットフォーム 富士フイルム、ロッテ、トレードワルツ
    5 プロセス・取引の全自動化・効率化の実現 DAO(自律分散型組織) DEX、投票

    その結果、国内のブロックチェーンの市場規模は成長を見せつつあります。株式会社矢野経済研究所の発表によると、ブロックチェーンの市場規模は2021年度の国内ブロックチェーン活用サービス市場規模は約783億円の見込みがあり、2025年度には7,247億6,000万円の経済圏を形成すると推測されています。

    しかしその一方で、ブロックチェーンはスケーラビリティなどの課題を抱えてもいます。こうした問題に対し、それぞれの欠点を補うようにして数えきれないほどのブロックチェーンが誕生しました。その結果、独自の仮想通貨をもつブロックチェーンは大小含めて約15000〜20000種類も存在するともいわれています。

    当然、エンタープライズ向けのブロックチェーンプラットフォームも数多くリリースされており、企業は自社のビジネスに最もマッチするプラットフォームを選択することができる時代になりました。ようやく日本企業にとってブロックチェーンのビジネス導入を本格的に議論できる下地が整ったといえるでしょう。

    ブロックチェーンの進化の歴史

    ブロックチェーン乱立期ともいえるフェーズに突入している現代において、ブロックチェーンがどのような経緯で成長してきたのかを把握しておくことは重要です。ここからは、そもそもブロックチェーンとはどういった技術で、どのような背景があるのかについてみていきましょう。

    ブロックチェーンとは

    出典:shutterstock

    ブロックチェーンは、2008年にサトシ・ナカモトと呼ばれる謎の人物によって提唱された暗号資産「ビットコイン」の中核技術として誕生しました。

    ブロックチェーンの定義には様々なものがありますが、噛み砕いていうと「取引データを暗号技術によってブロックという単位でまとめ、それらを1本の鎖のようにつなげることで正確な取引履歴を維持しようとする技術のこと」です。

    取引データを集積・保管し、必要に応じて取り出せるようなシステムのことを一般に「データベース」といいますが、ブロックチェーンはそんなデータベースの一種です。その中でもとくにデータ管理手法に関する新しい形式やルールをもった技術となっています。

    ブロックチェーンにおけるデータの保存・管理方法は、従来のデータベースとは大きく異なります。これまでの中央集権的なデータベースでは、全てのデータが中央のサーバーに保存される構造を持っていました。したがって、サーバー障害や通信障害によるサービス停止に弱く、ハッキングにあった場合に、大量のデータ流出やデータの整合性がとれなくなる可能性があります。

    これに対し、ブロックチェーンは各ノード(ネットワークに参加するデバイスやコンピュータ)がデータのコピーを持ち、分散して保存します。そのため、サーバー障害が起こりにくく、通信障害が発生したとしても正常に稼働しているノードだけでトランザクション(取引)が進むので、システム全体が停止することがありません

    また、データを管理している特定の機関が存在せず、権限が一箇所に集中していないので、ハッキングする場合には分散されたすべてのノードのデータにアクセスしなければいけません。そのため、外部からのハッキングに強いシステムといえます。

    ブロックチェーンでは分散管理の他にも、ハッシュ値と呼ばれる関数によっても高いセキュリティ性能を実現しています。

    ハッシュ値は、ハッシュ関数というアルゴリズムによって元のデータから求められる、一方向にしか変換できない不規則な文字列です。あるデータを何度ハッシュ化しても同じハッシュ値しか得られず、少しでもデータが変われば、それまでにあった値とは異なるハッシュ値が生成されるようになっています。

    新しいブロックを生成する際には必ず前のブロックのハッシュ値が記録されるため、誰かが改ざんを試みてハッシュ値が変わると、それ以降のブロックのハッシュ値も再計算して辻褄を合わせる必要があります。その再計算の最中も新しいブロックはどんどん追加されていくため、データを書き換えたり削除するのには、強力なマシンパワーやそれを支える電力が必要となり、現実的にはとても難しい仕組みとなっています。

    また、ナンスは「number used once」の略で、特定のハッシュ値を生成するために使われる使い捨ての数値です。ブロックチェーンでは使い捨ての32ビットのナンス値に応じて、後続するブロックで使用するハッシュ値が変化します。コンピュータを使ってハッシュ関数にランダムなナンスを代入する計算を繰り返し、ある特定の条件を満たす正しいナンスを見つけ出す行為を「マイニング」といい、最初にマイニングを成功させた人に新しいブロックを追加する権利が与えられます

    ブロックチェーンではマイニングなどを通じてノード間で取引情報をチェックして承認するメカニズム(コンセンサスアルゴリズム)を持つことで、データベースのような管理者を介在せずに、データが共有できる仕組みを構築しています。参加者の立場がフラット(=非中央集権型)であるため、ブロックチェーンは別名「分散型台帳」とも呼ばれています。

    こうしたブロックチェーンの「非中央集権性」によって、データの不正な書き換えや災害によるサーバーダウンなどに対する耐性が高く、安価なシステム利用コストやビザンチン耐性(欠陥のあるコンピュータがネットワーク上に一定数存在していてもシステム全体が正常に動き続ける)といったメリットが実現しています。

    データの安全性や安価なコストは、様々な分野でブロックチェーンが注目・活用されている理由だといえるでしょう。

    詳しくは以下の記事でも解説しています。

    ブロックチェーンには3つのフェーズがあった

    ブロックチェーンは、この10年間あまりで技術の進展とともに、技術の応用領域、そしてビジネスモデルを進化させてきました。その進化の歴史は、ブロックチェーン1.0、2.0、3.0という呼称で知られています。

    ブロックチェーンは、2008年に誕生した当時はまだ、仮想通貨ビットコインの中核技術の一つに過ぎませんでした。このブロックチェーン1.0の時期にブロックチェーンが目指していたのは、「不正のない通貨取引」です。

    前述の通り、ブロックチェーンは中央管理者のいない公開された台帳によって情報を管理しています。常にネットワークの参加者間で情報が同期されているため、ハッキングやデータ改ざんといった脅威から仮想通貨の取引を守るのに打ってつけの技術だったわけです。

    その後、Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)が、ビットコインの仕組みを仮想通貨以外の金融領域に応用するべく、Ethereumを開発しました。これがブロックチェーン2.0です。

    Ethereumひいてはブロックチェーン2.0の特徴として挙げられるのが、スマートコントラクトです。スマートコントラクトは、あらかじめプログラムされた契約を自動的に実行する仕組みのことです。 ビットコインでは1ブロックに取り込めるトランザクションは1秒に7件程度しかなく、ブロックの承認にも10分近くかかっていたため、即時性という観点では使いづらいものでした。

    しかし、スマートコントラクトを応用することで、様々な処理をブロックチェーン上で実行できるようになりました。たとえば、企業におけるバックオフィス業務や、商取引におけるエスクローサービス(商取引の安全性を保証する仲介サービス)、個人間送金などがスマートコントラクトで置き換えられました。

    このような流れを受けて現在、ブロックチェーンが突入しているのがブロックチェーン3.0の世界です。

    ブロックチェーン3.0では、ブロックチェーン技術の有用性に対する社会の関心が高まったことを背景に、非金融領域への活用が急速に進み始めています。とくに、商品が生産されてから消費者の手元に至るまで、その商品が「いつ、どんな状態にあったか」を追跡するトレーサビリティ分野においては多くの企業の注目の的です。

    また、Ethereumから派生して、tps(トランザクション速度)を改善したPolygon(ポリゴン)やSolana(ソラナ)、toB企業向けの開発に特化したGoQuorum(ゴークオラム)やHyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)といった様々なプラットフォームが登場しています

    このようにブロックチェーン市場におけるビジネスモデルの進化は、新しいモデルが過去のモデルに取って代わるのではなく、過去のモデルを残しつつも、その課題をカバーする形で新しい応用領域へとマーケットが拡大してきました。

    こうした歴史を経て、現在のブロックチェーンはブロックチェーン1.0、2.0の金融分野、3.0の非金融分野、両者のハイブリッドの3つに分類できます。

    次は、ブロックチェーンのビジネス活用が進む応用領域について解説していきます。

    ブロックチェーンのビジネス活用が進む3つの応用領域

    ブロックチェーンの応用領域①:金融領域(フィンテック)

    ブロックチェーンビジネスの第一の領域は、「金融領域」です。

    「金融領域」とは、平たく言えば「Fintech(フィンテック)」と言われる領域のことで、より正確には「暗号資産(=仮想通貨)を活用した領域」と考えてください。

    出典:Unsplash

    金融領域でのブロックチェーンの活用事例には、たとえば次のようなものがあります。

    • 暗号資産取引
      • ブロックチェーン技術を応用した法定通貨以外の新通貨の売買等を通して、キャピタルゲインを獲得することをインセンティブとしたビジネス
    • ICO(Initial Coin Offering、イニシャル・コイン・オファリング)
      • 新規事業を始めようとする企業などが独自のデジタル権利証としてトークンをインターネットを通じて不特定多数の投資家に発行し、その対価として暗号資産を払い込んでもらい資金を集める
      • 新規株式を発行して資金調達する新規株式公開(IPO)に対し、ICOは証券会社など金融機関を仲介しないため、企業は手数料を抑え機動的に資金調達できる
      • 投資家は受け取ったトークンを企業のサービスに利用するほか、需給次第で値上がり益が期待できるというメリットがある
      • IPOのように厳密な審査や上場基準などがなく、法律の抜け穴を利用した詐欺が横行したため、現在はほとんど使われていない
    • STO(Security Token Offering、セキュリティ・トークン・オファリング)
      • 有価証券の機能が付与されたトークンによる資金調達方法
      • 有価証券に適用される法律に準拠するため、その販売には株式などの有価証券同様の発行体としての義務が発行者に課される
      • ICOの問題点であったスキャム(いわゆる詐欺)や仕組み自体の投機的性質を解消する、新しい資金調達方法として注目を集めている
    • IEO(Initial Exchange Offering、イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)
      • 仮想通貨取引所がトークンの販売業務、多くの場合で上場までをサポートする、資金調達を望むプロジェクトに対する一括パッケージのようなシステム
      • トークン自体に証券性はないが、取引所が完全にバックアップする形で資金調達が進むため、取引所の権威性・ブランド力を維持するために、自ずとプロジェクトの精査も行われる
      • 取引所を介した取引となるため、ICOと違いグローバルなアクセスが可能とは言えず、取引所に登録を済ませたユーザーのみを対象としたややクローズドなプロセスとなっている

    もともと仮想通貨に端を発するブロックチェーンはフィンテック分野と相性が良く、比較的スムーズにその導入が進められています。

    たとえば、大手フリマアプリの「メルカリ」はメルカリ内で得た売上金でビットコイン(BTC)が購入できるサービスをリリースしました。この「ビットコイン取引」はサービス開始からわずか3ヶ月で利用者が50万人を突破しており、ライトユーザー層にとっても馴染みやすいものとなっています。

    このようにフィンテックは、ブロックチェーンのビジネス導入におけるひとつの重要なエリアとなっています。

    なお、「Fintech」という用語に馴染みのある方も多いかと思いますが、必ずしも「ブロックチェーンの金融領域=Fintech」というわけではないため、注意が必要です(後に説明する「ハイブリッド領域」のビジネスを指して”Fintech”と呼ばれることもあります)。

    ブロックチェーンの応用領域②:非金融領域

    ブロックチェーンビジネス第二の領域は、「非金融領域」です。

    非金融領域とは、暗号資産(仮想通貨)を使わない領域のことで、台帳共有や真贋証明、窓口業務の自動化など、既存産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の文脈で、今、最も注目を集めている領域といえるでしょう。

    非金融領域のブロックチェーンビジネスが注目を集めている理由は、次の通りです。

    1. 適用範囲が非常に広い(どの産業にも可能性がある)
    2. したがって適用領域の市場規模が大きくなる可能性が高い(政府予想では数十兆円規模)
    3. これまでに実現してこなかった産業レベルでのイノベーションが起こりうる可能性がある

    門戸が広がったとはいえ、まだまだ参加できるプレイヤーが限られている金融領域と比べて、非金融領域では、業務課題レベルからの解決が十分に可能です。

    そのため、新規事業立ち上げや経営企画の方だけでなく、あらゆる職種の方にとって、この領域について理解しておくことは自社の役に立つかと思います。

    非金融領域でのビジネス活用の考え方や事例については、本記事の後半で詳しく見ていきます。

    ブロックチェーンの応用領域③:ハイブリッド領域(非金融×暗号資産)

    ブロックチェーンビジネス第三の領域は、「ハイブリッド領域」です。

    ハイブリッド領域とは、金融×非金融、つまり暗号資産を非金融領域での課題解決へと応用している領域です。シンプルにいえば、「実ビジネスに仮想通貨決済を導入させたい領域」ともいえるでしょう。

    わかりやすい例としては、いわゆる「トークンエコノミー」がこの領域のビジネスと考えられます。

    この手の取り組みでは、LINE Token Economyが有名です。

    出典:BUSINESS INSIDER

    LINEは2018年から「LINEトークンエコノミー構想」を掲げ、このハイブリッド領域へのブロックチェーン適用を模索しています。システムの複雑性やサービス横断に際しての課題に、ブロックチェーンを活用してサービスの永続性を図ろうという取り組みです。

    LINEは言わずと知れた国内最大のSNSツールであり、月間ユーザー数は約9,600万人(2023年12月末時点)にのぼります。膨大なユーザーがこのコミュニティに参加すれば、世界最大級のトークンエコノミーへと発展する可能性は十分に考えられるでしょう。

    こうした大規模なエコシステムが構築可能な一方で、トークンエコノミーに代表されるハイブリッド領域は、事業化にあたって細心の注意が必要な領域です。

    というのも、同領域は直感的にイメージがしやすく、美しいビジネスモデル(「●●経済圏」など)も容易に描けてしまうものの、現実的には下記のような課題が存在し、難度が非常に高くなるケースが多くなります。

    • 新興基盤の多くは1年ももたずに消えていく
    • いざサービス開発をしようという時に過去のユースケースが少ないため、バグやシステムトラブルが発生した時にエンジニアがお手上げになるケースが多い
    • 仮想通貨の値上がり益がインセンティブになる場合は、事業課題の解決のためのインセンティブがおろそかになってしまい誇大広告や詐欺の温床になるケースが多い

    そのため、事業企画担当者としてトークンエコノミーなどのハイブリッド領域におけるブロックチェーンビジネスを検討しているのであれば、提案を受けた開発基盤の「過去のケース数」を確認することをおすすめします(GitHubなどで)

    また、この領域は資金決済法の適用を受けるので、事業企画においても繊細な配慮が必要な点について法務部門から突っ込まれる可能性が高いため、注意しておく必要があるでしょう。

    ブロックチェーンの応用領域拡大を支える技術発展

    仮想通貨領域から非金融領域へといたるブロックチェーンの応用領域の拡大は、技術発展に伴って進んできました。

    実際に、ビジネスや産業に応用されている技術には、例えば次のようなものがあります。

    • Smart Contract(スマートコントラクト、契約自動化)
    • Traceability(トレーサビリティ、履歴追跡)
    • Tokenization(トークナイゼーション、トークン化)
    • Self Sovereign Identity(セルフソブリンアイデンティティ、自己主権型ID)

    これらのうち、本記事では、必ずと言っていいほどブロックチェーンでの応用が検討される、スマートコントラクトとトークンの2点について、簡単に説明します。

    Smart Contract(スマートコントラクト)

    スマートコントラクトとは、ブロックチェーンシステム上で規定のルールに従い、トランザクションや外部情報をトリガーに実行されるプログラムあるいはコンピュータプロトコルのことです。

    1994年にNick Szabo(ニック・スザボ)という法学者・暗号学者によって提唱され、エンジニアのVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)がEthereum基盤上で開発・提供し始めました。

    「契約(コントラクト)の自動化」を意味するスマートコントラクトは、事前定義から決済に至るまで、一連の契約のスムーズな検証、執行、実行、交渉を狙いとしています。

    スマートコントラクトの仕組みは、しばしば「自動販売機」を例に使って説明されます。

    自動販売機はその名の通り、人の手を介さずに自動で飲料を販売する機械であり、①指定された金額分の貨幣の投入、②購入したい飲料のボタンの押下、という2つの条件が満たされることで自動的に「販売契約」が実行されます。

    自動販売機自体はとてもシンプルな仕組みですが、「契約の事前定義→条件入力→履行→決済」という一連の流れを全て自動化しているという点でスマートコントラクトの好例といえるでしょう。

    なお、スマートコントラクトのブロックチェーン上での呼称は基盤によって異なります。たとえば、Etheruemであればそのまま「スマートコントラクト」と呼ばれていますが、HLF(Hyperledger Fabric)では「ChainCode」と呼ばれています。

    それぞれ名称は異なるものの、同じくブロックチェーン基盤上でのスマートコントラクトサービスを指している点には注意が必要です。

    ブロックチェーンの文脈では、フィンテックにおける送金業務の自動化やDEX(分散型取引所)、非金融領域では投票システムや国際貿易プラットフォームなど、多岐にわたるビジネスへの応用が進んでいます。

    こうした形で、スマートコントラクトがビジネスプロセス上に実装されることで、取引プロセスのデジタル化・自動化による取引コスト削減が期待できます。

    詳しくは以下の記事でも解説しています。

    Tokenization(トークン化)

    トークンは、ビジネスの文脈上では「交換対象を限定した小さな経済圏を回すための使い捨て貨幣」といった意味で用いられる概念で、非中央集権的なブロックチェーンとセットでビジネス活用されます。

    トークンには、代表的な4つの種類があります。

    トークンの種類 意味 身近な例
    Utility Token(ユーティリティトークン) 具体的な他のアセットと交換できて初めて資産性が出てくるトークン ・パチンコ玉・図書券・電車やバスの切符・遊園地の入場券
    Security Token(セキュリティトークン) それ自体に金銭的価値が認められるトークン ・株券・債権
    Fungible Token (ファンジブルトークン) メタ情報如何にかかわらず区別されないトークン ・純金(→誰がどこで所有する金1グラムも同じ価値をもつ)
    Non Fungible Token(ノンファンジブルトークン) 同じ種類や銘柄でも個別に付与されたメタ情報によって区別されるトークン ・土地(→銀座の1平米と亀有の1平米は同じ単位だが価値が異なる)

    ブロックチェーンの文脈でいうところのトークン化とは、物理的な資産をブロックチェーン上で取引可能なデジタル資産へと変換することを指します。これにより、地域的な障壁や仲介者を排除し、自由で平等なマーケットにおいて資産を細かく分割できます。

    とくにNFT(Non Fungible Token、非代替性トークン)は、唯一無二の「一点物」の価値を生み出せるトークンとして各業界から注目を集めています。現在では美術品や金、不動産など、多様な資産がトークン化されつつあり、その取引高は2022年に247億ドルを記録するなど実用化が急速に進んでいるジャンルです。

    詳しくはこちらの記事でも解説しています。

    ブロックチェーン3.0(非金融領域)の3つのビジネスモデル

    非金融領域におけるブロックチェーンビジネスには、事業化にあたって抑えておくべき3つの視点があります。

    これらはすべて、「取引関係における中央管理者とどのような関係を組むか」という問いに対する視点です。

    それぞれ、順にみていきましょう。

    非金融ブロックチェーンのビジネスモデル①:「直接化・自動化」

    非金融領域におけるブロックチェーンのビジネスモデルの一つ目は、「直接化・自動化」です。

    これは、取引のプロセスを合理化することによって、いわゆる「取引コスト」を削減しようという視点です。

    ヒト・モノ・カネ・情報の流通プロセスにおいては、取引の主体者や取引自体の信用を担保するための付随業が至るところで発生しています。

    それらの業務を適切に遂行し、取引を無事に遂行する上では、「信用に値する第三者」を経由するのが常套手段です。

    しかし、第三者の介入は、中央管理者による規制や圧迫、中間マージンによるコスト高、商流の延長によるリードタイムの間延びなど、様々な取引コストを発生させます。

    また、外部企業に付随業務の履行を代行してもらうこと自体にも、大きな人件費がかかってきます。

    この問題に対して、「分散型台帳」技術とも言われるブロックチェーンでは、その仕組み上、ネットワークの参加者が個人レベルで(Peer to Peerで)、信用を担保しながら、安全に取引を行うことができます。

    また、スマートコントラクトによって、ブロックチェーンの基盤上で定型業務の履行を自動的に行うこともでき、これまで管理業務に費やされてきた膨大な時間や人件費を削減することもできます。

    非金融ブロックチェーンのビジネスモデル②:「民主化・透明化」

    非金融領域におけるブロックチェーンのビジネスモデルの二つ目は、「民主化・透明化」です。

    これは、従来は管理者あるいはプラットフォームから参加者への一方向な上意下達だったコミュニケーションを、管理者に一方的に有利にならないように双方向化しよう、という視点です。

    先ほどみた「直接化・自動化」が中央管理者の存在による取引コストの増加にフォーカスしていたのに対して、「民主化・透明化」は、コミュニティ内の「情報の非対称性」に注目しています。

    一般に、ビジネスは情報の非対称性を作り出すことで単価を高めるところに基本の発想があります。

    ところが、インターネットの登場以来、「奪うのではなく与える」「隠すのではなくさらけ出す」「売るのではなく共有する」といった発想の転換が起こり始めました。

    「なんてことはない」一般人の集まりが、自作の動画を公開し、YouTubeというプラットフォームで圧倒的な人気を集めて大儲けする、といった光景も、もはや珍しいことではなくなりました。

    ブロックチェーンのもつ「非中央集権性」を活用することで、こうした最新のマーケティング手法を自社ビジネスに活用できる可能性があります。

    実際の活用イメージで言えば、不透明になりがちなコミュニティー運営、例えば、寄付、投票、投げ銭などの透明化、といった双方向性を想像するとわかりやすいでしょう。

    非金融ブロックチェーンのビジネスモデル③:「相対化・自由化」

    非金融領域におけるブロックチェーンのビジネスモデルの二つ目は「相対化・自由化」です。

    これは、平たく言えば、「データの囲い込み」をなくして、みんなで利用していきましょうね、という視点です。

    これまでは、同じ業界でも、各社が異なるデータベースを用意し、それぞれの顧客に対してそれぞれ別の形でデータを保有していました。

    こうした「データの囲い込み」には、次のようなデメリットがあります。

    • データを共有してさえいれば確保できるはずの利用者の自由度が大きく下がってしまう
    • 同じ業界で、同じ資産を使っている間柄なのに、各社がそれぞれに同じようなデータを集める無駄な競争を行なっていたり、パワーの強い一社がデータを独占してしまって他社がどうにもならない(結果、業界としての進歩が望めない)

    これに対して、ブロックチェーンでは、各社がそれぞれにサーバーをもつのではなく、一つのネットワークを共有することで、デジタル資産を安全に共有することができます。

    これには、次のようなメリットがあります。

    • IDを他サービスに持っていって認証の手間を省ける、自分が著作権を有するコンテンツを自由にいろいろなプラットフォームで売れる、といった形で、利用者がサービスから受けられる恩恵が増す
    • 同業他社が安全にデータを共有し合えることで、あるいは川上と川下がスムーズに繋がることで、独占によるメリット以上に大きなリターンが得られる可能性がある

    「シェアリングエコノミー」「限界費用ゼロ社会」に向かっていくと言われる現代の社会において、こうした「相対化・自由化」の流れはますます高まっていくでしょう。

    ブロックチェーンのビジネス活用事例(非金融領域)

    Propy

    出典:Propy 公式サイト

    ブロックチェーンによる「直接化」の面白い例の一つに、不動産プラットフォーム「Propy」があります。

    同サービスではブロックチェーンを利用して、不動産業における売り手と買い手を仲介する紹介業者との煩雑なやり取りを簡略化しています

    従来の取引では契約書は紙ベースであり、仲介業者・買い手・売り手との間でこれまで非常に多くの手続きが必要であったため、たくさんの時間を要してきました。また、日本とアメリカでは不動産売買の仕組みにも細かな違いがあり、日本よりも複雑なやり取りになっています。

    たとえば、アメリカではMLSという誰でも不動産情報を見る事ができるシステムがあります。過去の取引事例や補修歴などかなり詳しい情報を個人でも閲覧できるので、瑕疵や条件のすり合わせ交渉などにも売り手と買い手が積極的に参加します。

    こういった背景があるアメリカの不動産業界において、ブロックチェーンの適用はコスト削減に大きく貢献します。

    書類をアップロードし、関係者のみがアクセスできるように個別設定しておけば、条件を満たしている場合にワンクリックするだけで自動的に電子署名を行います耐改ざん性に優れているブロックチェーンは、高額な取引が前提となる不動産売買にまさにうってつけの技術といえるでしょう。

    さらにPropyはタイトル保険(物件の所有権に対する保険で、取引時には判明していない不利事項が将来的に明らかになった際、その損害額が保険によって保証される)へのブロックチェーン導入にも意欲的です。

    スマートコントラクトと高いセキュリティを実装しているブロックチェーンは、仲介業者や代理業者のような中間マージンを収益としている存在が当たり前となっている業界において、「直接化」というコストカットを実現してくれます。

    SBT(ソウルバウンドトークン)

    出典:PR TIMES

    続いて、ブロックチェーンによるビジネスの「自動化」の例をあげましょう。

    この分野の代表格は、譲渡不可能なトークンであるSBT(Soul Bound Token、ソウルバウンドトークン)です。

    トークンなのに譲渡できないとはどういうことかというと、このトークンは学歴や職歴、受賞歴や取得資格など個人のステータスが紐づけられています。したがって、所有者の情報そのものに価値があり、所有権を移動させてもなんの意味も持たないため、NFTなどのように売買することができないという訳です。

    就職や転職において高い価値を持つこれらの個人履歴は、残念ながら虚偽の申告や詐欺に利用されるケースも少なくありません。証明書としての役割を持つトークンであるSBTは、ブロックチェーンの耐改ざん性を十分に生かした概念だといえるでしょう。

    このSBTを企業で活用することで、面倒な人事業務の一部をオートメーション化できます。人事・総務経験者であれば誰しもうなずくことかと思いますが、転職マーケットにおいて、採用する側の労力以上に煩わしいのが、前職側の人事業務です。

    SBTを利用したサービスでは、従業員の職務経験やスキルなどの証明を発行することで、前職の人事部からするともっともやりたくない在職証明などの業務、採用/応募時の確認作業を大幅に合理化できます。

    また、スマートコントラクトによる定型取引の自動履行も可能なので、これまでは信用担保のために人手を必要としていた「コストセンター」と位置付けられる業務を、「自動化」することが可能になります。

    ウォレットとSBTという形であれば、従来のデータベースのように異なるサービス間をAPIで連携する必要がないので、導入のハードルもそんなに高くありません。「自動化」と聞くと、ついAIを想像しがちですが、実はこうしたデータの真贋が問われるような局面の自動化であれば、ブロックチェーンに分があるといえるでしょう。

    寄付

    出典:LOOTaDOG 公式サイト

    読者のみなさんは、どこかの団体に寄付をしたことがあるでしょうか?あるいは、街頭に立って募金を呼びかけている団体に、迷いなくお金を募金したことがあるでしょうか?

    これらの問いに対しては、様々な立場からの様々な意見があることかと思いますが、その中の大きな論点の一つに、「お金を募金したはいいけど、本当にこの団体が慈善活動にちゃんと使ってくれるか怪しい」「下手な使い方をされるくらいであれば募金しないほうがいいのではないか」といったものがあります。

    つまりは「寄付や募金の運用管理者に対する信用」の問題です。この問題は、寄付や募金を活動資金源としているNPO法人などにとっては、ファンドレイジングをする上で非常に大きく、やっかいな課題です。

    こうした課題を解決する手段として、近年、ブロックチェーン技術の応用が進められています。

    オーストラリアに本社を構えるLehmanSoft社が提供する「LOOTaDOG」というサービスでは、専用のウォレットを活用することで、透明性の高い寄付を実現しています。

    ブロックチェーンは全ての取引の記録を、改ざんされることなく追跡できるという特徴をもっています。そのため、オープンソースのブロックチェーン基盤を用いてアプリケーションを作成すれば、寄付したお金が「いつ」「どこで」「どのように」使用されたかを正確に把握することができます。

    このように、トレーサビリティを簡単に実現できるブロックチェーン技術は、情報の非対称性によるリスクが極めて高い問題に見事にマッチしています。国内においても、令和6年能登半島地震が発生した際には、暗号資産を用いた寄付が大々的に行われました。

    したがって、様々なビジネスの「透明性」をブロックチェーンによって担保しようという動きは、今後ますます増えていくと考えられます。

    Socios.com

    出典:Socios.com 公式サイト

    ブロックチェーンの「民主化」の事例として有名なのが、スポーツチームのファントークンである「Socios.com」です。「チームの決定」に投票可能なブロックチェーンアプリで、ユベントス、パリ・サンジェルマンなどの超有名フットボールクラブが既に使用を始めていることでも話題になっています。

    ファントークンの所有者には、クラブや選手に関する投票やアクティビティに参加する権利が与えられます。新しいユニフォームのデザイン選択やスタジアムのBGMなど、そのレパートリーは多岐に渡っています。そのため、毎試合スタジアムで応援することのできない遠方のサポーターに対しても、新たなクラブとの関わり合いを提供するサービスであるといえるでしょう。

    近年、インターネットの登場、余暇時間の増長、価値観の多様化の進展、可処分所得の増加など、様々な社会・経済的要因を背景に、消費者は「ただつくられた商品を購入して、消費して、終わり」ではなく、「自分の価値観にあったより長く、より深く愛せるもの」に対して、大きなお金を払うようになってきました

    そのため、ビジネス界では、特にtoCサービスをもつビジネスでは、従来の「顧客視点」のマーケティングからさらに一歩進んで、「顧客=身内」と考えるコミュニティマーケティングとでも呼ぶべき、ファンビジネスのマーケットが伸長しています。

    今回紹介しているSocios.comでも、そうした「ファンによるコミュニティの民主化」を推進しています。とくに、フットボールの世界では「サポーターは12人目のプレイヤー」といわれるように、サポーターとクラブとの結びつきがかなり強いです。

    「サポーター=応援する人」ではなく、「サポーター=クラブの意思決定者」として、より運営に近い領域に巻き込んでいくことで、より長く・より深く愛されるサッカーチームになることを目指しています。

    ブロックチェーンは、そういった局面で課題となりやすい「意思決定に対する投票」の問題を、すでにこれまで述べた特徴をもって、見事に解決しているのです。

    医療分野

    出典:shutterstock

    ブロックチェーンによるビジネスの「相対化・自由化」の例は、「医療分野」です。

    これは、かれこれ20年ほど叫ばれ続けている医療のデジタル化、特に電子カルテを始めとする院内データの共通化の問題を、ブロックチェーンで巧みに解決しようという試みです。

    医療データは、個人情報の中でも特に秘匿性が高く、セキュリティ要件が最も高く求められます。そして、医療機関ごとのデータ保存形式も異なるため、それらを共有していくハードルは非常に高いものになります。

    北欧とバルト海を挟んで隣接する人口130万人の小国・エストニアでは、行政サービスデジタル化の先駆けとして知られていますが、その中でもヘルスケア分野における取り組みにはブロックチェーンを用いて安全かつ迅速なデータ管理を行っています。

    従来のデータ管理では医療データのセキュリティを確保するのが難しいとされていますが、エストニアでは独自のブロックチェーンを開発し、改ざんからデータを守りつつ、そのデータを活用して医療の自動化・時短を推進しています。

    たとえば、患者が希望すれば再診はオンライン上で完結します。医師は患者に薬を処方する際、オンラインのシステムで処方箋を発行します。その後、患者は薬局に行き、IDカードを提示するだけで、薬剤師はシステムから患者の情報を取得し、必要な薬を用意できます。

    エストニアでは現在、処方箋の99%がオンラインで発行されているそうで、患者・医師・薬局の三方よしの節約術といえるでしょう。

    また、医薬品のトレーサビリティの実現もブロックチェーンで実現可能です。サプライチェーンにおける偽造品や在庫の問題を解決する手段として、ブロックチェーンが注目を集めており、実際にプロジェクト化されたのがThe MediLedger Projectです。

    The MediLedger Projectは、米Chronicled(クロニクルド)社が、ジェネンテック、ファイザー、ギリアド・サイエンシズといった大手製薬会社や医薬品サプライチェーン各社と共同で立ち上げた実験プロジェクトで、コンソーシアム型のブロックチェーンシステムを使うことで、「いつ」「誰が」「どの」薬の流通に関わったを追跡することができます。

    したがって、偽造品はすぐに記録上の照合によって弾き出され、安全な医薬品市場を確保することが可能です。このようにブロックチェーンは、新たな価値の創出を医療分野にもたらすことでしょう。

    ブロックチェーンを活用したその他のビジネス事例

    本記事では、ブロックチェーンのビジネス活用領域を金融/非金融/ハイブリッドの3領域に区分した上で、主に非金融領域のビジネスロジックを解説しながら、様々なビジネス事例を詳しく説明してきました。

    最後に、上では説明しきれなかったその他のビジネス事例について大手企業/スタートアップに分けてごく簡単にご紹介します。

    大手企業のブロックチェーンビジネス事例

    中心企業、事例名 領域・市場 概要
    LIFULL、ADRE(アドレ) 不動産賃貸 ブロックチェーンコンソーシアムによるデータの共有・一括管理を通した業界全体の取引コストダウン
    ウォルマート、スマート・パッケージ 食品小売 生鮮食品の衛生管理、配送システムの管理によるセキュリティの強化
    MITメディアラボ、MedRec 医療データ管理 イーサリアムを利用したプライベートチェーンで、過去の医療機関の同意や同意に必要な手続きを経ることなく、医療情報の再利用を可能にする
    デンソー 自動車生産 自動運転車に独自のブロックチェーンシステムを搭載、データの改ざんを防止
    日通(日本通運) 物流 サプライチェーン全体をブロックチェーンで管理し、偽造品を排除
    ソニー デジタルコンテンツ(教育、音楽、映画、etc) ブロックチェーンベースの著作権管理システムによる著作者の保護とデジタルコンテンツの安全な共有
    マイクロソフト ID(身分証明、個人認証) ブロックチェーンベースの個人IDを開発

    スタートアップのブロックチェーンビジネス事例

    中心企業、事例名 領域・市場 概要
    ガイアックス、美しい村DAO デジタルID 地域住民とデジタル住民のDAOによる地方創生プロジェクト
    Robot Cache デジタルコンテンツ売買(中古ゲーム) ブロックチェーンプラットフォーム上でのデジタルゲームの中古売買、不正防止
    サスメド 医療、臨床試験 ブロックチェーン技術を用いた臨床研究モニタリングの実証によるデータ改ざん防止
    Civic ID(身分証明、個人認証) 個人認証、年齢確認ができる自販機によるセキュリティの向上とコストの低下
    ChainLink & OpenLaw 法務 スマートコントラクトで法契約、オフチェーンの銀行同士を仲介

    まとめ

    ブロックチェーン技術は、その誕生から現在に至るまで、金融分野での基盤的役割から始まり、非金融分野やハイブリッド領域への広がりを見せてきました。特に、日本を含む世界中で、暗号資産を超えた幅広い応用が進む中、デジタルトランスフォーメーションや社会課題の解決を実現する有力な手段として注目されています。これからのブロックチェーン活用の可能性は無限大です。ぜひ、自社の課題解決や新しい事業モデルの構築に、この技術をどう活用できるかを考えるきっかけにしてみてください。

    トレードログ株式会社では、非金融分野のブロックチェーンに特化したサービスを展開しております。ブロックチェーンシステムの開発・運用だけでなく、上流工程である要件定義や設計フェーズから貴社のニーズに合わせた導入支援をおこなっております。

    ブロックチェーン開発で課題をお持ちの企業様やDX化について何から効率化していけば良いのかお悩みの企業様は、ぜひ弊社にご相談ください。貴社に最適なソリューションをご提案いたします。