ブロックチェーン×保険の最新事例~引受査定から請求管理まで~

  1. 保険への活用が進むブロックチェーン技術
  2. ブロックチェーンとは
  3. ブロックチェーン×保険の適用可能性
  4. ブロックチェーン×保険の事例

保険への活用が進むブロックチェーン技術

出典:pexabay

2023年現在、ブロックチェーンの活用領域の一つとして、保険業界での実証実験やコンソーシアムの形成が進んでいます。

例えば、2016年に欧州の保険会社や再保険会社5社によって設立されたコンソーシアムである「B3i(Blockchain Insurance Industry Initiative)」は、2018年に、世界各地の保険関連会社20社(Aegon、Swiss Re、Zurich、SBIグループ、東京海上ホールディングス、他)による出資によって「B3i Services AG」として法人化されました。

同コンソーシアムでは、次のような取り組みがなされてきています。

Hyperledger Fabricを活用した実証実験を成功させ、再保険取引の効率性を最大30%改善
Cat XoL(Catastrophe Excess of Loss)再保険市場に焦点を当てたアプリケーション(CorDapp)による、巨大災害における超過損害額の再保険(Cat XoL)に関する条約や取引の引受プロセスを効率化
「Corda Enterprise」活用したプラットフォーム「B3i Fluidity」上で、保険会社9社、大手証券会社5社、再保険会社12社を含む20件以上のCat XoL再保険契約を締結

また、「Etherisc」と呼ばれる分散型保険プロジェクトでは、パブリックブロックチェーンを活用し、次のような保険が開発されています。

「Flight Delay Insurance」:スマートコントラクトを利用した航空機遅延保険
「Hurricane Protection」:基準値を超える風速のハリケーンが発生した場合の損害保険
「Crop Insurance」:干ばつや洪水被害に対する農家向けの保険

こうした取り組みは、海外のみならず、日本国内にも徐々に広がってきているのです。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンは新しいデータベース

ブロックチェーンは、2008年にサトシ・ナカモトと呼ばれる謎の人物によって提唱された「ビットコイン」(暗号資産システム)の中核技術として誕生しました。

ビットコインには、P2P(Peer to Peer)通信、Hash関数、公開鍵暗号方式など新旧様々な技術が利用されており、それらを繋ぐプラットフォームとしての役割を果たしているのがブロックチェーンです。

ブロックチェーンの定義には様々なものがありますが、噛み砕いていうと「取引データを暗号技術によってブロックという単位でまとめ、それらを1本の鎖のようにつなげることで正確な取引履歴を維持しようとする技術のこと」です。

取引データを集積・保管し、必要に応じて取り出せるようなシステムのことを一般に「データベース」と言いますが、ブロックチェーンはデータベースの一種であり、その中でも特に、データ管理手法に関する新しい形式やルールをもった技術です。

分散型台帳」とも訳されるブロックチェーンは、中央管理を前提としている従来のデータベースとは異なり、常にネットワークの参加者間で情報が同期されています。データとトランザクション(取引)が多数のノードに分散して保存されるため、一つのノードや場所に依存することなくシステムが機能します。

このように中央的な管理者を介在せずに、データが共有できるので参加者の立場がフラット(=非中央集権)であるため、「分散型台帳」と呼ばれています。

ブロックチェーンと従来のデータベースの主な違いは次の通りです。

従来のデータベースの特徴ブロックチェーンの特徴
構造 各主体がバラバラな構造のDBを持つ各主体が共通の構造のデータを参照する
DB  それぞれのDBは独立して存在し、管理会社によって信頼性が担保されているそれぞれのストレージは物理的に独立だが、Peer to Peerネットワークを介して同期されている
データ共有相互のデータを参照するには新規開発が必要共通のデータを分散して持つので、相互のデータを参照するのに新規開発は不要

こうしたブロックチェーンの「非中央集権性」によって、「データの耐改ざん性」「安価なシステム利用コスト」「ビザンチン耐性(欠陥のあるコンピュータがネットワーク上に一定数存在していてもシステム全体が正常に動き続ける)」といったメリットが実現しています。

データの安全性や安価なコストは、保険に限らず様々な分野でブロックチェーンが注目・活用されている理由だといえるでしょう。

ブロックチェーン×保険の適用可能性

デロイトトーマツ社のリサーチレポートによると、ブロックチェーン×保険業界には次のようなユースケースが存在します。

  • 包括的且つ安全で相互運用可能な健康記録の保存方法
  • より費用効果の高い引受や保険料設定、請求対応機能を提供し、バリューベース・ケア戦略を行うバックオフィス業務の効率化
  • 医療機関、請求者、申請者による不正防止や不正を発見する能力の向上
  • 健康保険プラン提供事業者リストの信頼性向上
  • より顧客にわかりやすいものにするために、保険申込み手続きを簡易かつ短期化
  • オンライン保険取引所や保険の代替形態であるピア・ツー・ピア(P2P)補償団体の形成や成長を支援
  • 保険会社のほぼリアルタイムな健康状態をモニタリングで、より大胆な保険料設定や双方向サービスの促進

同社は、これらのユースケースの中で、「ブロックチェーンがいかに包括的且つ安全で相互運用可能な健康記録の保存方法」が最も重要な議論であるとしています。

また、損保総研レポートは、コンソーシアム型ブロックチェーンの保険業務での一般的な想定利用形態として、次の4点をあげています。

  • 販売管理
    • KYC(顧客本人確認)業務に関して、複数の保険会社からの顧客情報アクセスの担保
    • シンジケート、リスクプール、超過損害額再保険、特約市場、サープラスライン市場など複雑なリスクを取り扱う市場へのアクセスの担保
    • キャット債や担保付再保険の発行でこれまでよりも広範な投資家層への販売に貢献
  • 保険引受
    • 被保険者の自動車運転履歴情報や事故歴情報を保有する第三者情報機関の参加者による、保険引受時の審査や適切な保険料設定の円滑化
  • 保険金請求管理
    • 複数の保険会社による被保険者の保険金請求情報の共有による、保険金詐欺の判定と調査の迅速化
    • 顧客、代理店・ブローカー、保険会社間での、顧客に保険金が支払われるまでの保険金請求の対応状況の共有
  • 報告
    • 規制監督当局への法令遵守にかかわる報告やデータバンク機構への統計報告の共有

ブロックチェーン×保険の事例

共同保険の契約情報交換に関する実証実験(損保協会、NEC)

2020年9月17日、一般社団法人日本損害保険協会(損保協会)は、日本電気株式会社(NEC)と共に、「共同保険の事務効率化に向け、ブロックチェーン技術を活用した契約情報交換に関する共同検証を実施し、その有効性の評価や課題の洗い出しを行」うと発表しました(損保協会ホームページより)。

損保協会が手掛ける共同保険では、1つの保険契約を複数の保険会社で引き受けるために、各保険会社がそれぞれ、年間数十万件に及ぶ契約情報の書面交換や契約計上業務を行っています。

こうした膨大かつ煩雑な業務を、共同保険に関する会社間共通の情報データベースを構築することで、大幅に効率化することが狙いです。

出典:損保協会

本検証では、損保協会の会員会社8社が参加し、NECの提供するブロックチェーン技術を活用した情報交換を行うことで、保険業務におけるペーパーレス化や契約計上業務がどの程度迅速に、正確に、効率よく行えるかを検証していくとされています。

事故発生の自動検出と保険金支払業務自動化の実証実験(SOMPOホールディングス他)

SOMPOホールディングス株式会社(以下、SOMPO)は、2020年8月18日から同年9月30日まで、損害保険ジャパン株式会社、株式会社ナビタイムジャパン(以下、ナビタイムジャパン)、株式会社 LayerX(以下、LayerX)と共に、保険事故発生の自動検出および保険金支払業務自動化の技術検証のため、MaaS領域におけるブロックチェーン技術を活用した実証実験を行いました。

MaaS(Mobility as a Service)とは、「出発地から目的地までの移動ニーズに対して最適な移動手段をシームレスに一つのアプリで提供するなど、移動を単なる手段としてではなく、利用者にとっての一元的なサービスとしてとらえる概念」(同社)のことで、本取り組みでは、ブロックチェーンによるMaaS推進の一環として、保険金請求や支払い手続きを自動化・効率化させることを狙っています。

出典:SOMPO他の発表資料

同実証では、上図のように、「ナビタイムジャパンの経路検索アプリケーション『NAVITIME』および『乗換 NAVITIME』の利用者からテストモニターを募り、LayerX が有するブロックチェーン技術を活用した、保険事故発生の自動検出と保険金支払業務自動化の技術検証」を目的としています。

【2023年】”Web 3.0” とは?〜分散型インターネットでNFTが担う役割〜

2021年以降話題を集めている仮想通貨やNFT「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」、メタバース(仮想現実)と共に、”Web 3.0” という言葉を耳にする機会が増えてきました。本記事では、Web3.0に至るまでのWebの歴史を振り返った上で、Web3.0とは一体どういった概念なのか、加えてWeb3.0におけるNFTの役割に焦点を当てて解説していきます。

  1. Webの歴史は3つの時代に分けられる
  2. ブロックチェーンとは?
  3. Web3.0で実現すること
  4. Web3.0におけるNFTの役割
  5. まとめ

Webの歴史は3つの時代に分けられる

Web3.0を解説するにあたり、これまでのWebがどのようにして進歩してきたかを以下の3つの時代に分けて解説します。

Web1.0:1995年~(ホームページ時代)

Web2.0:2005年~(SNS時代)

Web3.0:これから(分散型インターネットの時代)

ただし、Web1.0/Web2.0/Web3.0の定義には明確な線引きはなく、曖昧な部分がある点にご注意ください。

①Web1.0(ホームページ時代)

出典:pixabay

Web1.0時代は、Yahoo!やGoogle、MSNサーチなどの検索エンジンが登場し始めた時期で、Webがまだ一方通行であった時代です。ウェブデザイナーのDarci DiNucci氏が1999年に、進化の段階を区別するためにWeb1.0とWeb2.0という呼び方を用いました。

ウェブサイトは1990年代初めに静的HTMLのページを利用して作られ、個人が「ホームページ」を持ち情報を発信する、という文化もこの時代から生まれました。ただし、インターネットの接続速度も非常に低速であり画像を1枚表示するだけでも時間がかかりました。

また、閲覧できる情報は情報作成者によってのみ管理されるため、閲覧ユーザーがデータを編集することはできません。こうした特徴からweb1.0は「一方向性の時代」とも呼ばれます。

②Web2.0(SNS時代)

出典:pixabay

Web2.0時代になるとYouTube、Twitter、InstagramなどのSNSが登場し、誰もが発信者となりました。Web1.0時代が「一方向性の時代」とされたのに対し、Web2.0時代は様々な人との双方向の情報のやり取りができるようになったのです。

SNSによって誰もがWeb上で簡単に情報を発信できるようになり、Webは閲覧するだけのものではなく、自らが参加できるものとなりました。

また、Google、Amazon、Facebook(元Meta)、AppleといったいわゆるGAFAと呼ばれるプラットフォームサービスが大きく躍進し、巨大テック企業となっていった時代でもあります。

Webが多くの人々に馴染みのあるものとなったWeb2.0時代ですが、それと同時に問題点も浮き彫りになってきました。それが次の2つです。

  • 特定企業への個人情報の集中(プライバシー問題)
  • 中央集権型によるリスク(セキュリティ問題)

1つ目に、個人情報が特定の企業へ集中することによる個人のプライバシー侵害の可能性が問題視されています。

現在、Google、Amazon、Facebook、AppleといったGAFAを筆頭に一部の大企業には、あらゆる情報が集まっています。これには、住所や年齢、性別など基本的な個人情報だけでなく、個人の嗜好や行動履歴までもが含まれます。

これらの企業は世界的に利用されているサービスを展開しているため、世界中のあらゆる個人情報が独占的に集められる状態になっているのです。プライバシーの観点からこの現状を問題視する声も多く、個人のプライバシーをどう守るかは重要な課題のひとつとなっています。

2つ目の問題点として、中央集権型の情報管理はサイバー攻撃を受けやすく、多くのユーザーに影響を及ぼす危険性があるという点が挙げられます。例えば2018年、GAFAの一角である大手SNS「Facebook」は5000万人超のユーザー情報を外部に流出してしまいました。

現在、ユーザーの個人情報はサーバーで集中管理されています。このサーバー・クライアント方式は一般的な管理方法ではありますが、サイバー攻撃を受けやすく、個人情報の流出や不正アクセス、データの改ざん、Webサイト/Webサービスが利用できなくなる、などのリスクがあります。

③Web3.0(分散型インターネットの時代)

出典:pixabay

Web3.0とは「次世代の分散型インターネット」のことを指します。さらに言うと、Google、Amazon、Facebook(元Meta)、Appleといった所謂GAFAやその他巨大テック企業によって個人情報を独占されている現状から、次世代テクノロジーを活用して情報を分散管理することで、巨大企業による独占からの脱却を目指そうとしているのがWeb3.0の概念です。

特定企業によって個人情報を独占されることによるリスクは前項でご説明したとおりで、2021年以降、特定企業によって独占された情報を分散しようとする動きが活発化しています。

そして、この情報の分散を可能にするのが次に解説するブロックチェーンの技術です。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンは、2008年にサトシ・ナカモトと呼ばれる謎の人物によって提唱された「ビットコイン」(暗号資産システム)の中核技術として誕生しました。

ビットコインには、P2P(Peer to Peer)通信、Hash関数、公開鍵暗号方式など新旧様々な技術が利用されており、それらを繋ぐプラットフォームとしての役割を果たしているのがブロックチェーンです。

ブロックチェーンの定義には様々なものがありますが、噛み砕いていうと「取引データを暗号技術によってブロックという単位でまとめ、それらを1本の鎖のようにつなげることで正確な取引履歴を維持しようとする技術のこと」です。

取引データを集積・保管し、必要に応じて取り出せるようなシステムのことを一般に「データベース」と言いますが、ブロックチェーンはデータベースの一種であり、その中でも特に、データ管理手法に関する新しい形式やルールをもった技術です。

分散型台帳」とも訳されるブロックチェーンは、中央管理を前提としている従来のデータベースとは異なり、常にネットワークの参加者間で情報が同期されています。データとトランザクション(取引)が多数のノードに分散して保存されるため、一つのノードや場所に依存することなくシステムが機能します。

このように中央的な管理者を介在せずに、データが共有できるので参加者の立場がフラット(=非中央集権)であるため、「分散型台帳」と呼ばれています。

ブロックチェーンと従来のデータベースの主な違いは次の通りです。

従来のデータベースの特徴ブロックチェーンの特徴
構造 各主体がバラバラな構造のDBを持つ各主体が共通の構造のデータを参照する
DB  それぞれのDBは独立して存在し、管理会社によって信頼性が担保されているそれぞれのストレージは物理的に独立だが、Peer to Peerネットワークを介して同期されている
データ共有相互のデータを参照するには新規開発が必要共通のデータを分散して持つので、相互のデータを参照するのに新規開発は不要

こうしたブロックチェーンの「非中央集権性」によって、「データの耐改ざん性」「安価なシステム利用コスト」「ビザンチン耐性(欠陥のあるコンピュータがネットワーク上に一定数存在していてもシステム全体が正常に動き続ける)」といったメリットが実現しています。

データの安全性や安価なコストは、様々な分野でブロックチェーンが注目・活用されている理由だといえるでしょう。

Web3.0で実現すること

出典:pixabay

Web2.0時代の課題を解決できる

Web3.0の時代では、情報管理のスタイルがブロックチェーン技術により非中央集権型となります。つまり、個人情報は特定の企業ではなくブロックチェーンに参加したユーザーによって分散管理されます。また、サービスを提供する基盤は特定企業に限定されず、ユーザーひとりひとりが参加するネットワークがサービスを提供する基盤となるのです。

ユーザー同士が、ネットワーク上で互いのデータをチェックし合うということは、不正アクセスやデータの改ざんが非常に難しいことを意味します。特定企業が個人情報を握ることもなければ、情報漏洩によって多大な被害を被ることもありません。

このように、Web3.0の概念が実現すれば個人情報が分散管理され非中央集権型の情報管理スタイルとなり、不正アクセスや情報漏えい、データ改ざんのリスクが軽減し、Web2.0の問題点が解決できると考えられています。

Web3.0による新たなメリットも

加えて、Web3.0にはサービスの安定化と管理コストの削減というWeb2.0にはないメリットもあります。Web3.0の仕組み上、特定の管理者というものを必要とせずプログラムが自動で学習しサービスを運用していきます。そのため、従来であれば起こりうるメンテナンスによるサービス停止や人為的ミスの心配もなくなり、時間的、金銭的コストが削減できます。

Web3.0におけるNFTの役割

出典:pixabay

Web3.0実現のために不可欠な技術「NFT」

ブロックチェーン技術を基盤とするWeb3.0ですが、デジタルデータを分散管理する上で不可欠な事があります。それは、そのデジタルデータが本物である証明です。

管理者を置かずに全ての情報を分散管理するためには、やり取りされる情報の信頼性がこれまで以上に大切になってきます。出どころが分からない嘘の情報や不正にコピーされたデジタルデータが流通してしまうことは、管理者不在のWeb3.0においては致命的な欠陥となりえます。

しかし従来のデジタルデータは簡単にコピーでき、本物とコピーの区別をつけることはほぼ不可能でした。

そこで、NFT「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」の出番です。「デジタルデータを替えの効かない唯一無二のものにできる技術」であるNFTが、Web3.0をより盤石なものにします。

NFT=”証明書”付きのデジタルデータ

出典:pixabay

NFTを言葉の意味から紐解くと、NFT=「Non-Fungible Token」の略で、日本語にすると「非代替性トークン」となります。非代替性とは「替えが効かない」という意味で、NFTにおいてはブロックチェーン技術を採用することで、見た目だけではコピーされてしまう可能性のあるコンテンツに、固有の価値を保証しています。

つまり簡単にいうと、NFTとは、耐改ざん性に優れた「ブロックチェーン」をデータ基盤にして作成された、唯一無二のデジタルデータのことを指します。イメージとしては、デジタルコンテンツにユニークな価値を保証している”証明書”が付属しているようなものです。

NFTでは、その華々しいデザインやアーティストの名前ばかりに着目されがちですが、NFTの本質は「唯一性の証明」にあるということです。

NFTが必要とされる理由

世の中のあらゆるモノは大きく2つに分けられます。それは「替えが効くもの」と「替えが効かないもの」です。前述した「NFT=非代替性トークン」は文字通り後者となります。

例えば、紙幣や硬貨には代替性があり、替えが効きます。つまり、自分が持っている1万円札は他の人が持っている1万円札と全く同じ価値をもちます。一方で、人は唯一性や希少性のあるもの、つまり「替えが効かないもの」に価値を感じます。

不動産や宝石、絵画などPhysical(物理的)なものは、証明書や鑑定書によって「唯一無二であることの証明」ができます。しかし、画像や動画などのDigital(デジタル)な情報は、ディスプレイに表示されているデータ自体はただの信号に過ぎないため、誰でもコピーできてしまいます。

そのため、デジタルコンテンツは「替えが効くもの」と認識されがちで、その価値を証明することが難しいという問題がありました。

実際、インターネットの普及によって音楽や画像・動画のコピーが出回り、所有者が不特定多数になった結果、本来であれば価値あるものが正当に評価されにくくなってしまっています。

NFTではそれぞれのNFTに対して識別可能な様々な情報が記録されています。そのため、そういったデジタル領域においても、本物と偽物を区別することができ、唯一性や希少性を担保できます。

これまではできなかったデジタル作品の楽しみ方やビジネスが期待できるため、NFTはいま、必要とされているのです。

まとめ

本記事では、Web時代の歴史を振り返り、Web3.0によってどんな事が実現するかを解説し、そしてその中でNFTが担う役割についてご紹介してきました。Web3.0という大きな概念の中の、欠かせないひとつのピースとしてNFTが存在しています。

本記事をきっかけにNFTについて興味を持たれた方は、NFTの様々な活用事例について解説している過去の記事を是非御覧ください。

〜ブロックチェーン基礎知識〜「マイニング」

今回は暗号資産に触れるにあたって最も基礎的な知識のひとつ、「マイニング」について解説していきます。また、「マイニング」を理解する上で避けては通れないのが「ブロックチェーン技術」についてです。そこで、本記事では初心者向けに「マイニング」と「ブロックチェーン技術」の基礎知識をご説明します。

  1. マイニング=「暗号資産の採掘」
  2. 「発行」に関する暗号資産と現金の違い
  3. ブロックチェーンとは
  4. 「承認」×「コイン発行」の連続=ブロックチェーン
  5. まとめ

マイニング=「暗号資産の採掘」

「マイニング」とは、「ブロックチェーン上で難しい問題を解くこと(承認作業)により、その報酬として新規発行したコインを得ること」を意味します。これは、ビットコインやイーサリアムといった暗号資産で採用されている、コイン獲得方法です。

「マイニング」の元々の言葉の意味は「採掘」、つまり金や石炭などの鉱石を掘り起こすことを言います。そして、それらの鉱石の地球上に存在している量はあらかじめ決まっていて、所有者はもちろん鉱石を掘り当てた本人となります。

出典:pixabay

冒頭でも述べたとおり、暗号資産の分野で「マイニング」というと、「新規発行したコインを得る(掘り当てる)こと」となります。コインを掘り当てる?というとまだまだイメージが沸きにくいかもしれません。そこで、暗号資産にとって「コインを新規発行する」とは一体どういうことなのかを紐解いていきます。

「発行」に関する暗号資産と現金の違い

中央集権型の「現金」の場合

暗号資産の分野での「コインの発行」を解説する前に、私たちにとって最も身近な法定通貨、つまりいわゆる「現金」=日本円の場合はどうなのかを例に見てみましょう。

日本円の発行は、お札の場合は日本銀行が行っており、印刷する枚数は政府が管理しています。日本に限らず世界中の多くの国では、現金の発行量は国や政府などの中央機関が管理しています。つまり、多くの現金は「中央集権型」の管理システムをとっています。

出典:pixabay

また、現金に関する中央集権型の管理システムは、発行だけでなく送金といったお金のやり取りの場合も同様です。例えば、みなさんが手元の現金を誰かに送るとき、現金そのものを郵送するのではなく、銀行ATMを利用して送金するはずです。

このATMも、銀行という中央機関が管理している「中央集権型」の送金システムです。金額、宛先、時刻といった取引履歴は全て、ATMを運用する銀行のサーバーで一元管理をされています。


「暗号資産(コイン)」のほとんどは非中央集権

一方、暗号資産はシステムの中央管理者がおらず、コインの発行は全てプログラムによって自動で行われています。こうした管理手法を「非中央集権型」と言います。現金の中央集権型に対し、暗号資産は「非中央集権型」の管理システムを採用しているのが両者の大きな違いです。

上記の通り、送金、発行する際のセキュリティを担保してくれる中央管理者が暗号資産には存在しません。それでは、暗号資産の管理はどのようにして安全に行われるのでしょうか?それを可能とするのが「ブロックチェーン技術」です。

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンは新しいデータベース(分散型台帳)

ブロックチェーン(blockchain)は、2008年にサトシ・ナカモトによって提唱された「ビットコイン」(仮想通貨ネットワーク)の中核技術として誕生しました。

ビットコインには、P2P(Peer to Peer)通信、Hash関数、公開鍵暗号方式など新旧様々な技術が利用されており、それらを繋ぐプラットフォームとしての役割を果たしているのがブロックチェーンです。

ブロックチェーンの定義には様々なものがありますが、ここでは、「取引データを適切に記録するための形式やルール。また、保存されたデータの集積(≒データベース)」として理解していただくと良いでしょう。

一般に、取引データを集積・保管し、必要に応じて取り出せるようなシステムのことを一般に「データベース」と言いますが、「分散型台帳」とも訳されるブロックチェーンはデータベースの一種であり、その中でも特に、データ管理手法に関する新しい形式やルールをもった技術です。

ブロックチェーンは、セキュリティ能力の高さ、システム運用コストの安さ、非中央集権的な性質といった特長から、「第二のインターネット」とも呼ばれており、近年、フィンテックのみならず、あらゆるビジネスへの応用が期待されています。

ブロックチェーンの特長・メリット(従来のデータベースとの違い)

ブロックチェーンの主な特長やメリットは、①非中央集権性、②データの耐改ざん性、③システム利用コストの安さ④ビザンチン耐性(欠陥のあるコンピュータがネットワーク上に一定数存在していてもシステム全体が正常に動き続ける)の4点です。

これらの特長・メリットは、ブロックチェーンが従来のデータベースデータとは異なり、システムの中央管理者を必要としないデータベースであることから生まれています。

分散台帳とは.jpg

ブロックチェーンと従来のデータベースの主な違いは次の通りです。

従来のデータベースの特徴ブロックチェーンの特徴
構造各主体がバラバラな構造のDBを持つ各主体が共通の構造のデータを参照する
DBそれぞれのDBは独立して存在するそれぞれのストレージは物理的に独立だが、Peer to Peerネットワークを介して同期されている
データ共有相互のデータを参照するには新規開発が必要共通のデータを持つので、相互のデータを参照するのに新規開発は不要

ブロックチェーンは、「非中央集権、分散型」という特徴を獲得したことで、様々な領域で注目・活用されているのです。ブロックチェーンに関して、より詳しい内容を知りたい方は、下記参考記事をご覧いただければと思います。

👉参考記事:『ブロックチェーン(blockchain)とは?仕組みや基礎知識をわかりやすく解説!

「承認」×「コイン発行」の連続=ブロックチェーン

暗号資産の送金には承認作業が必要

先述したように、日本円などの現金の送金は、ATMを管理する銀行によって承認されます。しかし中央管理者がいない暗号資産の取引は、第三者であるマイナー(=マイニングする人)がその役割を担います。

例えば、AさんがBさんにビットコインを送った際に、「AさんがBさんにビットコインを送金した」というデータが本当に正しいかどうかを、世界中のマイナー達が確認します。その確認作業は膨大な計算を必要とする大変難しいもので、高性能のコンピューターを必要とします。

「コイン発行」は承認作業に対する対価

暗号資産の取引を承認することは難しい作業であるため、最初に承認を行った人には対価としてコインが支払われる仕組みとなっています。

出典:pixabay

このコインの新規発行を、鉱石の採掘になぞらえて「マイニング」(=「採掘」)と呼んでいるわけです。

ブロックチェーンの成立

第三者が、AさんとBさんの暗号資産取引を承認し、その対価としてコインを受け取る。この一連の作業が「マイニング」であり、そして「マイニング」により取引記録(トランザクション)が連続することにより「ブロックチェーン」は成立します。

まとめ

本記事では、暗号資産分野における「マイニング」と、その基盤となる「ブロックチェーン」について解説しました。

暗号資産分野は「非中央集権型」で、コインを管理・発行する特定の組織が存在しないため、マイニングによってそれらを担っています。このようにして「取引履歴のネットワークが維持」されることと、「新たなコインを発行する」仕組みが同時になりたっていることが、暗号資産の特徴のひとつです。

【2022年】NFTの現時点での課題とは?〜革新的な技術に課せられた問題点〜

2021年以降、デジタルデータに唯一性・希少性をもたせるNFTの技術は、アート、ゲーム、音楽等の様々な分野で活用され始めるなど、大きな可能性を秘めています。一方でNFT自体の歴史はまだまだ浅く、解決すべき課題が存在することは無視できません。そこで本記事では、改めて「NFTとは何なのか」を簡単に振り返った上で、現時点でのNFTの課題と解決に向けた動きについて解説していきます。

そもそもNFTとは?
NFT=デジタルの”はんこ”
NFTが必要とされる理由
NFTとブロックチェーン
急成長と共に浮かび上がる課題
NFTが抱える現状の課題
NFTの課題①:法整備
市場拡大に対して法整備が遅れている
NFT関連の法整備に向けた動きが活発化
NFTの課題②:ハッキングのリスク
NFTゲーム「Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)」
NFTマーケットプレイス「OpenSea」
NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」
価値の流動性が高い
浮き彫りになる環境問題
NFTの基盤通貨「イーサリアム」の電力消費
イーサリアムは2022年に ”燃費” を大幅に改善予定
まとめ

そもそもNFTとは?

NFT=デジタルの”はんこ”

NFTとは簡単に言うと「デジタルデータに偽造不可な鑑定書・所有証明書をもたせる技術」のことです。さらに噛み砕いて表現すると「デジタルコンテンツにポンと押す ”はんこ” のようなもの」です。

出典:pixabay

NFTを言葉の意味から紐解くと、NFT=「Non-Fungible Token」の略で、日本語にすると「非代替性トークン」となります。非代替性は「替えが効かない」という意味で、トークンには「データや通貨・モノ・証明」などの意味があります。

つまり「唯一無二であることの証明ができる技術」を意味し、実際にはデジタル領域で活用されることから冒頭ではデジタルの ”はんこ” と表現しました。

NFTが必要とされる理由

世の中のあらゆるモノは大きく2つに分けられます。それは「替えが効くもの」と「替えが効かないもの」です。前述した非代替性トークンは文字通り後者となります。

それぞれの例を挙げていくと、

【替えが効くもの (代替性) 】

  • 硬貨や紙幣
  • フリー素材の画像や音楽
  • 量産される市販品

【替えが効かないもの (非代替性) 】

  • 大谷翔平の「直筆サイン入り」本
  • ゴッホの「原画」
  • ワールドカップ決勝の「プレミアチケット」

人は唯一性や希少性のあるもの、つまり「替えが効かないもの」に価値を感じます。
不動産や宝石・絵画などPhysical(物理的)なものは、証明書や鑑定書によって「唯一無二であることの証明」ができます。

一方で画像やファイルなどのDigital(デジタル)な情報は、コピーされたり改ざんされたりするリスクがあるため「替えが効くもの」と認識されがちで、その価値を証明することが難しいという問題がありました。

実際、インターネットの普及により音楽や画像・動画のコピーが出回り、所有者が不特定多数になった結果、本来であれば価値あるものが正当に評価されにくくなってしまったのです。

そういったデジタル領域においても、「替えが効かないもの」であることを証明する技術がまさにNFTなのです。

NFTがあれば、本物と偽物を区別することができ、唯一性や希少性を担保できます。NFTによって、これまではできなかったデジタル作品の楽しみ方やビジネスが生まれるのです。

👉参考記事:『【2022年】NFTとは何か?なぜ話題なのか、分かりやすく解説!

NFTとブロックチェーン

NFTはブロックチェーンという技術を用いて実現しています。

ブロックチェーンは「一度作られたデータを二度と改ざんできないようにする仕組み」です。データを小分けにして暗号化し、それを1本のチェーンのように数珠つなぎにして、世界中で分散管理されています。そのため、コピーしたり、改ざんしたり、データが消えたりする心配がありません。

👉参考記事:『ブロックチェーン(blockchain)とは何か?仕組みや特長をわかりやすく解説!

急成長と共に浮かび上がる課題

”デジタルデータに唯一性・希少性をもたせる” という画期的な技術であるNFTの登場は、様々な分野で新たなビジネスを生み出し、現在もその市場は発展途上です。

2019年時点で300億円だった市場規模は、2022年には4000億円にまで急成長し、2027年には約2兆円に達すると予測されています。

👉出典:DreamNews『NFT(非代替性トークン)の市場規模、2027年に136億米ドル到達予測

NFTは短期間で急成長を遂げた一方で、新しい概念であるがゆえ未知な領域も数多くあります。手探り状態で市場が拡大を続けており、同時に解決すべき課題も次々と明らかになっています。

そこで次項では、NFTが抱える現状の課題について解説していきます。

NFTが抱える現状の課題

NFTの課題①:法整備

市場拡大に対して法整備が遅れている

出典:pixabay

NFTに限らず、新しい技術やサービスが普及していく過程では、それに伴って様々な法律問題が発生します。

NFTを活用したビジネスは急速に発展しつつある一方、NFT自体の法的位置付けやNFTの取引にかかる法規制・権利関係の整理は十分に追いついておらず、ひとたび不測のトラブルが生じた場合、大きな混乱が生じることが予想されます。

例えば、NFTに対する”所有権”は現法上認められていません。なぜなら、NFTは前項で解説したとおり「替えが効かないデジタル資産」であることを証明する技術ですが、Physical(物理的)な「モノ」ではないからです。そのためNFTを購入したとしても、購入者にどのような権利が認められるのかが明確ではありません。

NFT関連の法整備に向けた動きが活発化

出典:pixabay

2022年現在、複数の団体が日本国内のNFT関連の法整備に向けて具体的なアクションを起こしています。

例えば、(JCBA)一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会は「NFTビジネスに関するガイドライン」を2021年に策定、その後も改訂を行っており、NFT利用者にとって安心・安全な利用環境の提供を目指しています。

👉出典:JCBAの公式HP

また、年を同じくして凸版印刷・KDDI・ドコモなどの大きな影響力を持つ民間企業が、NFT領域における課題特定と解決策の提案を目的として「デジタル通貨フォーラムNFT分科会」を設立し、実証実験を開始しています。

👉出典:DeCurret『デジタル通貨フォーラムNFT分科会を設立

言わずと知れた世界最大の動画共有プラットフォームである「YouTube」も、サービス開始当初は、無断転載や倫理上不適切な動画に溢れた無法地帯と化していました。NFTへの注目度が増し、より一般層の人々にまで普及し、ビジネスチャンスが広がるにつれて自ずと法整備も進んでいくでしょう。

NFTの課題②:ハッキングのリスク

出典:pixabay

あらゆるIT分野にはハッキングのリスクがあり、NFTも例外ではありません。以下、2022年に発生したNFT関連のハッキング被害を3つご紹介します。

NFTゲーム「Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)」

「Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)」は「Axie(アクシー)」と呼ばれるモンスターを育成したり対戦させて、Play to Earn(P2E) =「遊んで稼ぐ」という言葉の火付け役的なゲームです。

👉参考記事:『NFT×ゲーム〜「遊んで稼ぐゲーム」について解説〜

2022年3月23日に、この「Axie Infinity」で使用される「Ronin Network」というブロックチェーンが外部からハッキングされ、750億円以上に相当する仮想通貨が盗み出されました。これは、ブロックチェーン及びNFTに関連するハッキング被害としては過去最大規模と

なったため、非常に大きなニュースとなりました。

NFTマーケットプレイス「OpenSea」

2022年2月19日に、NFTマーケットプレイス(取引所)の最大手である「OpenSea」で、総額2億円相当となるNFTが盗まれる事件が発生しました。

👉参考記事:『NFT×マーケットプレイス〜取引所の概要から選び方・それぞれの違いを解説〜

攻撃者は、OpenSeaがユーザーに対して仕様変更に関する告知を行っていた時期を狙い、OpenSeaを偽装した偽メールをユーザーに送付して不正なリンクを踏ませて誘導しました。OpenSea自体の技術的な問題ではなく、メールを用いた古典的なフィッシング詐欺によるものではありますが、被害額の大きさから注目を集めた事例となります。

NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」

「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」は、猿をモチーフにした有名なNFTコレクションです。NFT化されたイラストは、それぞれ背景や猿の顔服装などが異なり、同じものはひとつとしてありません。

人気アーティストグループ「EXILE」の関口メンディー氏や、アメリカを代表する歌手であるジャスティン・ビーバーといった多くの著名人がBAYCを購入しており、人気に拍車がかかっています。

2022年4月25日、この「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」の公式インスタグラムと公式Discordサーバーがハッキングされ、OpenSea同様のフィッシング詐欺が行われました。

乗っ取られた公式SNS上でNFTの無料配布を行うとした偽のリンクが拡散された結果、多くのユーザーがこれをクリックし、被害総額は約3億8000万円相当と推定されます。

価値の流動性が高い

出典:pixabay

NFTの価値は、現実世界の「モノ」と同じく需要と供給によって変動します。ただ、その値動きは「モノ」よりも大きく、価値の流動性が非常に高い点がNFTの特徴です。

価値の流動性が高くなる理由は、NFTはそもそも仮想通貨を基盤とした技術であり、関連する仮想通貨の値動きに合わせてNFT自体の価値も変動するためです。一般的に仮想通貨は、円やドルといった法定通貨に比べて値動きが激しいため、関連するNFTの価値の変動も必然的に大きくなります。

仮想通貨の値動きに加え、販売されているNFTそのものの希少価値も非常に流動的です。一部の著名人やインフルエンサーによってSNS上で取り上げられる事により、価値が突如として高騰する可能性があるのがNFTの世界です。

NFTを実際に購入する場合、そのNFTの適正な価値を見極める必要があります。不当に価値が吊り上げられたNFTを購入しないためにも事前にしっかりと情報収集を行い、自身のリスク許容度の範囲内での購入を心がけましょう。

浮き彫りになる環境問題

NFTの基盤通貨「イーサリアム」の電力消費

出典:pixabay

NFTを含めたブロックチェーン技術を活用した取引市場が盛り上がる一方で、取引における多大な電力消費とそれに伴う環境問題が指摘されています。

特に、多くのNFTに関連する仮想通貨「イーサリアム」での取引には、膨大な数のデータベースへのアクセス(マイニング)が必要で、その際に113テラワット/時という大量の電力を消費します。そして、なんとそれはオランダ全体の年間電力消費量に匹敵すると推計されます。

👉参考記事:『〜ブロックチェーン基礎知識〜「マイニング」

👉出典:MIT Technology Review『環境破壊、採掘寡占化—— ビットコインの「失敗」を イーサリアムは乗り越えるか

イーサリアムは2022年に ”燃費” を大幅に改善予定

イーサリアムでの取引が電力を大量に必要とする理由、それはイーサリアムという仮想通貨が「PoW(Proof of Work)」と呼ばれるアルゴリズム形式で作られているからです。現状のPoWによるマイニングは、大量の計算マシンによる電力消費が環境負荷をかけていると指摘されています。

この環境負荷問題を受けて、イーサリアムはこれまでの非常に燃費の悪い「PoW」から「PoS(Proof of Stake)」と呼ばれる圧倒的にエコなアルゴリズム形式へのアップデートを2022年中に実施する予定です。

この大規模なアップデートにより約99%もの消費電力を削減でき、イーサリアムを基盤とする全てのNFT取引にかかる環境負荷も大幅に改善できる見込みです。

まとめ

今回はNFTに関する解決すべき課題に焦点を当てて解説してきました。

NFTに関して、その可能性やメリットだけに目を向けるのではなく、解決すべき課題についても理解を深めることが大切です。加えて、発展途上にある技術であるNFTのネガな部分だけを切り取り「怪しい」「危険だ」といって拒絶するのではなく、どのようにすれば解決し、より良くなっていくのかという視点を持つことも大切です。